日本にいるとあまり気づかないことですが、世界にはタクシーに乗るのに神経を使う国がたくさんあります。
というより、タクシーが絶対安全であると言い切れる国の方が少数派だと思います。
私が絶対大丈夫だと思うのは、日本とシンガポールくらい。
(日本やシンガポールでも、たまにボラれた話は聞きますが、他の国ほど頻繁にある話ではないですし、ここで問題にしたいのは、そんなレベルではないということでご了承ください)
それ以外の国では、遠回りされた、ボラれたなどは、まだかわいいもので、国によっては、拉致監禁され身代金を要求されたり、身ぐるみ剥がれてそのまま殺されたりするところもあります。
恐ろしいのは、そういう国だと、タクシーの犯罪が常態化していて、もはやニュースにもならない状況になっていることがあります。そうすると、一時的な旅行者にすぎない我々には簡単には情報収集することができなくなります。
私は実際そこまでひどい目には遭っていませんが、どこの国でも、少なくとも現地の人に聞くと、「このタクシー会社は乗っていい、これはダメ」という暗黙のルールが出てきたりします。
今日は、まずバンコクのタクシーの実態をお知らせします。
バンコクのタクシーの乗り方
バンコクでは正規のタクシー乗り場というものは、空港などの公共の建物を除くとほとんどありませんので、適当なところで手を挙げて停めることになります。
停まってくれてもすぐ乗り込むわけではなく、前でも後ろでもどちらでも良いのですが(運転手によっては、助手席側の窓を下して聞いてくれることもあります)、行先を告げましょう。運転手がOKしてくれれば、それで乗り込みます。
詳細は後述しますが、ぼったくるのとは別の次元の問題で、行先を告げたときに乗車拒否されることも頻繁にあります。そのため、乗り込む前に行先に合意しておく必要があります。
バンコクでは乗車拒否は普通のことですので、ダメと言われたら次のタクシーを探しましょう。
タイのタクシーは不当に安い
タイのタクシーは初乗り1kmまで35 THB (119円)、以降、360mごとに2 THBずつあがっていく仕組みです。深夜・早朝料金はありません。
これ、初乗り料金の設定に比べて、距離に比例して増える分が極端に低いのがお分かり頂けますでしょうか?
最初の1kmで35 THB稼げるのに対し、次の1kmでは5.6 THBにしかなりません(実際には360m行かないと加算されないので、4 THBにしかならない)
最初の1km過ぎてから35 THB稼ごうとすると、6.3km必要になります。
比較のために、東京23区を見てみると、初乗りは1,052mまでが410円、以降237mごとに80円とされています(2018年8月26日現在)。
同じ計算をしてみると、最初の1,052mを過ぎてから410円稼ごうとすると、1,215mあれば良いことになります。
実際には、信号待ちなどの時間と併用になるため、こんなシンプルな計算にはなりませんが、少なくとも、タイのタクシーの料金設定は、初乗り以降が上がりにくい設定になっていることはお分かりいただけるかと思います。
遠いところに行きたがらないバンコクのタクシー
この料金設定により何が起こるかと言うと、バンコクのタクシーは遠くへ行きたがらず、近場を好むようになります。
日本のように、遠くに行って20,000円でウハウハというようなケースはまずないので、初乗り+αで行ける距離で数を多く稼ごうとする傾向があります。
近場を嫌がる日本とは逆に、「2ブロック先まで」といった超近場の行先はとても喜ばれます。
なので、ドライバーに行先を告げたとき、乗車拒否されるのは、大半がこの「遠くて嫌だ」というものです。
たまに「タイのタクシーで遠回りされてぼったくられた」という話を聞くことがありますが、タイに限ってそれはありません。
ドライバーは近場で回って回数を稼ぎたいので、わずか数バーツのために遠回りをするよりは、さっさと今の客を降ろして次の客をつかまえたいのです。
(ただし、メーターを改造しているターボメーター搭載のぼったくりタクシーの場合は、遠回りするかも知れません)
遠くに行ってくれるタクシーは、何台か声をかけていれば、だいたいつかまりますが、急いでいるとき、あるいは、らちが明かないときは、Grab (タクシー配車アプリ) で配車をお願いした方が確実です。
Grabを使ったタクシーの呼び方はこちらをご覧ください。

バンコクで大丈夫そうなタクシーの捕まえ方
さて、そんなタイのタクシーですが、残念ながら、インドネシアのブルーバードのように、このタクシー会社なら大丈夫、というものはありません。
緑が良いとか、ピンクなら大丈夫とか諸説ありますが、個人的な体感としてはどれも大差ありません。
が。基本、昼間、バンコク都内で流しをつかまえて乗る分には、絶対とは言いませんが、だいたい大丈夫です。
その際の注意点としては、なるべく見た目が綺麗な車を選ぶのが得策です。
これは、ちゃんとメンテナンスをしているドライバーなら大丈夫だろう、というドライバーの人柄を見る側面もありますし、ちゃんとメンテナンスしてる車なら途中で壊れることもないだろう、という車自体の耐久性を見ている側面もあります。
実際、私の知り合いで、かなりボロボロのタクシーに乗った結果、空港に向かう途中、エンジン故障で動かなくなり、危うくフライトを逃すところだった、という人がいます。
バンコクで避けるべきタクシー
怖いのは夜間走っているタクシーです。
夜間走っているタクシーが怖いのは、小遣い稼ぎのために、知り合いのタクシーを借りて臨時バイトをしている、正規でないドライバーが混じっているためで、そういう人は車のナンバーを控えられても自分にたどり着けないと思っているためか、正規ドライバーに比べてトラブルを起こしがちな傾向にあります。
絶対数としては少ないですが、そういうタクシーもいることを認識し、怪しいと思ったら乗らない、もしくは、すぐ降りるのが賢明です。
夜間、女性は性犯罪に巻き込まれる可能性もありますので、特に一人での利用は避けるべきです。
夜間はタイ人の女性でも、タクシーのナンバーを、乗った瞬間に親や配偶者に連絡するくらいです。
言葉が通じない外国人である我々は、乗るなら複数人で利用し、それが難しければ、例え割高になってもGrab (タクシー配車アプリ) の利用がおススメです。
また、ホテルや観光地で客待ちをしてるタクシー、タニヤ、ナナプラザ、ソイ・カウボーイなどの風俗街周辺のタクシーはぼったくりが多いです。
不思議なことに、他の場所では真面目に働いている運転手も、これらの場所に来ると、突然ぼったくりタクシーにジョブチェンジします。
この辺、どういうメンタリティなのか、一度、じっくりタイ人に聞いてみたいんですが、、、
空港・バンコク都内間の移動はGrabCarがおススメ
空港タクシーは、元々かなり当たりはずれの大きいドライバーが揃っていましたが、ここ数年、空港でのタクシー配車の自動化が進んだ結果、かなりまともなドライバーに当たる確率が増えてきました。
それでも私は、空港・バンコク都内間の移動にはGrabCar (GrabTaxiではない) をおススメしたいです。
その理由は、バンコクのタクシーでは、後部座席でシートベルトが出来ないからです。
バンコクでタクシーに乗ったことがある人なら分かると思いますが、後部座席用のシートベルトの着脱ボタンがついている方が、どういうわけか、バンコクのタクシーではほとんど座席の中に埋めてしまっています。
空港からバンコク都内に行くには大部分を高速道路で行くことになりますが、バンコクのドライバーは道路をサーキット場かなにかと勘違いしてる人も多く、シートベルト無しであのスピードに耐えるのは、恐怖以外の何物でもないのです。
タクシーに乗っていて、「このスピードで事故ったら死ぬなー」と思ったことも一度や二度ではありません。
GrabCarで配車を依頼すると、タクシーではないがGrabに登録してある一般車が来ますが、私は一般車でシートベルトが埋めてあるのを見たのは一台だけです。

GrabCarを選べば一般車のみが来るようになる
登録してあるとはいえ、一般人による一般車ということで、不安に思われる方もいるかと思いますが、Grabは採用前にドライバーの面接をしているとのことですし、タイでは、車の運転が好きな人が仕事の余暇を使ってGrabドライバーをしていることがほとんどなので、タクシードライバーではほぼ通じない英語が通じることも多く、私は日本語が話せる人にも5回くらい当たったことがありますが、トラブルになったことは一度もありません。
空港・バンコク都内間であれば、基本、GrabCarの料金は固定です。
流しのタクシーをつかまえるより割高になることもありますが、安全は買うものだと思って割り切っています。
Grabを使ったタクシーの呼び方はこちらをご覧ください。

バンコクで安全にタクシーに乗る方法・ぼられないための対策 まとめ
バンコクのタクシー事情、いかがでしたでしょうか?
まとめると、
- 昼間の流しのタクシーは、車の見た目が綺麗であればだいたい問題ない
- ホテル、観光地、風俗街周辺で客待ちしているタクシーはだいたいぼったくり
- 夜間のタクシーは正規のドライバーでない人もいるので、怪しいと思ったらすぐ逃げること
- 女性は夜間は一人では利用せず、一人のときはGrabを利用した方がいい
- 空港・バンコク都内間移動はシートベルトが着用できるGrabCarがおススメ
- タイでは乗車拒否は普通。特に遠くに行くのを嫌がられる
色々言いましたが、バンコクのタクシードライバーの大多数は何の問題もありません。
安い給料で真面目に働いているのに、一部の不心得者のために、色々警戒されてしまって気の毒だなーと思うこともあります。
ここに書かれた点に注意しながら、あなたの旅を良いものとしてくれる、良いドライバーさんにめぐり合ってくださいね。
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コメント
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