キバヤシ原作『BLOODY MONDAY』がやっぱり面白かった!

年明け早々、漫画三昧です。

 

今日はキバヤシ原作の『BLOODY MONDAY』シリーズです。

これもなんか今更という感じですが、さすがのヒットメーカー原作で面白かったので紹介しておきます。

 

これはネタバレしてしまうと面白くなくなってしまうので、ネタバレなしで行きます。

 

『BLOODY MONDAY』あらすじ

 

『BLOODY MONDAY』シリーズは、無印、絶望ノ匣、ラストシーズンの3部作です。

 

無印も絶望ノ匣も主題となっているテロリストとの闘い自体は決着が着きますが、物語全体を操っていた黒幕との戦いはラストシーズンまで持ち越され、そこでやっと全体の話が終わる構成になっています。

 

BLOODY MONDAY (Season 1に相当)

クリスマス・イヴの夜、ロシアで成立したウイルス取引。目的は不明。わかっているのは、組織の一味であるマヤという謎の女性の存在と「ブラッディ・マンデイ」というキーワード。そして日本で起こった、ロシア連邦保安庁諜報員の殺害事件――。高木藤丸(たかぎ・ふじまる)は、天才ハッカー・ファルコンという別の顔を持つ高校生。公安調査庁の秘密組織「THIRD-i(サードアイ)」に勤務する父・竜之介から依頼された仕事が、彼を凄絶なるテロリストとの戦いに引きずり込んだ!!

(Amazon作品紹介より)

 

ストーリー概要はおおむね作品紹介の通りです。色々ツッコミたいことはあるのですが、それは後述するとして、話としては面白いです。

 

「BLOODY MONDAY」というキーワードに始まり、テロリストによる凶悪ウィルス拡散計画とその阻止のための戦い、明らかになってくるテロリストの正体、思いがけないところから正体を現すスパイの数々、そして、最後に明かされる「BLOODY MONDAY」の本当の意味。

 

単行本にして全11巻ですが、全く息つくところがなく、話がスピーディに進むので、止め所が分からない、かなり中毒性の高い作品です。

初めて読むときに電車乗っていたら、間違いなく乗り過ごすでしょう。

 

個人的には3部作の中では一番完成度が高いのではないかと思われます。

 

BLOODY MONDAY Season2 絶望ノ匣

「ファルコン」と呼ばれるスーパーハッカー・高木藤丸(たかぎ・ふじまる)。中性子爆弾により首都崩壊を目論んだ凶悪テロ“ブラッディ・マンデイ”を、藤丸が解決して2年がたったある日、東京で新たなテロが発生した! テロ成否の鍵を握るキーワード“第三の皇帝”を巡って死闘が始まる!! 息もつかせぬスリルとサスペンス、予測不可能な展開に、あなたはついていけるか!?

(Amazon作品紹介より)

 

シーズン2も展開のジェットコースターぶりがすごいです。

 

出だしは主人公のお父さんのハイジャックから始まり、爆弾を追いかけていたはずが、最後は米国大統領と総理大臣を守って、日本への核ミサイル投下を阻止する話、というと何がなんだか分からないと思います。

 

また、最後の最後で黒幕が出てきますが、この人については、驚く人半分、やはりお前かという人半分、というところでしょうか。

 

シーズン1のインパクトが強烈だったので、それを超えることは出来なかったのですが、相変わらずのスピーディな超展開に一気読み確実です。

 

BLOODY MONDAY ラストシーズン

前回の惨劇から1年。会談のため主要12か国の首脳が日本に集結した。『東京ネオタワー』で開催された歓迎式典の最中、正体不明のテロリストが会場を占拠。警備に当たっていた『THIRD-i(サードアイ)』の面々と自衛隊精鋭部隊をやすやすと手玉に取った犯人は、犯行声明を発表。その声はなんと行方不明になっていた藤丸(ふじまる)のものだった……!!

(Amazon作品紹介より)

 

この前の2作に比べると、シリーズ全体に決着をつけるための話なので、こじんまりとまとまってる感はあります。

 

舞台も最初に設定された「東京ネオタワー」から出ることなく、そこでの数時間を描いた話なので、まぁ、ボリュームとしては適正でしょうか。

 

『BLOODY MONDAY』みどころ

 

厨二心をくすぐる設定・オタク心をくすぐる展開

 

この作品の一番のツッコミどころは「そもそもの主人公設定に無理がある」だと思います。

高校生のウィザード級ハッカーが警察に協力する、熱血漢だけど頭の切れる主人公に対し、周りの大人たち脳筋すぎるだろ、と。

 

いやいや、これは、リアリティを追求するドラマでもなんでもなく、まず「少年漫画」ということを忘れてはいけません。実際の掲載紙は『週刊少年マガジン』です。

 

「普段は冴えない主人公がハッカーとしては超人的な腕を持ち、それを駆使してテロリスト相手に無双する」って厨二設定以上の何物でもないじゃないですか。

 

まさに厨二まっさかりの人なら主人公にどっぷりはまりさすがに厨二は卒業したわという人でも昔を思い出しニヤリとしてしまうのも確か。主人公の周りの大人がアホすぎると言いながら読んでしまう魅力が厨二病作品にはあるのです。

 

そして、「BLOODY MONDAY」「第三の皇帝」「同士K」などの謎めいたワードが飛び出し、その真意が少しずつ明かされていく様はオタク心をくすぐります

 

厨二心とオタク心。人間の持つ抗い難い二つのマニア心を真っ向からくすぐってくるところが上手いです。

 

盛り上げ演出がずば抜けて上手い

 

加えて、この原作者はどの作品でもそうだと思うのですが、盛り上げる演出が抜群に上手いです。

 

絶妙のタイミングで謎かけが出され、絶妙のタイミングでヒントが与えられ、絶妙のタイミングで真相が明かされます。これは言葉に限らず、裏切り者やスパイが明らかになるときもそうです。

 

この展開のさせ方は、すがすがしいまでの王道だと思うのですが、ここまで効果的に使いこなせる人も他にいないんじゃないでしょうか。

 

正直なところ、この作品はストーリーはどこかで見たことのある話に味付けしただけ、という感が否めませんが、この抜群の演出の上手さによって大成功している作品だと思います。

 

原作者 キバヤシ

 

最後にはやはりこの人に触れないわけにはいきません。

 

青樹佑夜(あおき ゆうや)、亜樹直(あぎ ただし)、天樹征丸(あまぎ せいまる)、安童夕馬(あんどう ゆうま)、有森丈時(ありもり じょうじ)、伊賀大晃(いがの ひろあき)、龍門諒(りゅうもん りょう)、樹林伸(きばやし しん)という複数の名義を持ちながら、いずれの名前でも必ずヒット作を出している、稀代のヒットメーカーです。

 

世の小中学生を恐怖に陥れた、ノストラダムスの大予言で有名になった『MMR マガジンミステリー調査班』のキバヤシ隊長のモデルでもあります。

なお、『MMR』は今読むと本当にシュールで素晴らしい作品です。

 

ミステリー、サスペンスものでは、他にも「金田一少年の事件簿」「探偵学園Q」「サイコメトラーEIJI」などがありますが、正直いずれも本格ミステリーファンには物足りないのではないかと思います。

 

とは言え、ミステリーは一部のコアなミステリーファンだけが読むというものではなく、特にこの作品については、漫画という媒体も相まって、どちらかと言えば、あまり推理をせず、ストーリーを追いかけているだけで満足するライトユーザが実のところ大半なのではないでしょうか。

 

そんなライトユーザにも、少しずつ謎を解き明かしている気分が味わえるこの人の演出の上手さは、オタク心の刺激と相まってドハマリするものなのだと思います。

 

そんな感じで、この人の作品は、ヒット作を生み出したというより、ヒット作を作っている、という感じがします。そのくらい上手です。

 

個人的には、メジャーなヒット作がきちんとは完結していないのが気になります。「金田一少年の事件簿」「サイコメトラーEIJI」「神の雫」あたりでしょうか。ミステリー、サスペンス物は、一話一話が完結していれば別に良いかなと思いますが、「金田一少年の事件簿」の高遠遙一の過去にまつわる話の決着はつけて欲しいなと思っています。

 

『BLOODY MONDAY』まとめ

 

期せずして、昨日は「発想とストーリーは面白いが、演出で大失敗している作品」を紹介しましたが、今日はそれとは真逆の作品を紹介しました。

 

この原作者は多作の人でもあるので、これからも面白い作品を世に生み出してくれることを期待しています。

 

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