今日はリスニング・スピーキング強化の話です。
私はこれについては、シャドウイングというやり方がおススメです。
実際、私はシャドウイング以外には特別なことはしていませんが、リスニング力・スピーキング力共に鍛えられているのを感じます。
なぜ、シャドウイングがおススメなのか、おススメの教材と共に見ていきたいと思います。
シャドウイングをおススメする理由
- リスニングとスピーキングが同時に鍛えられて効率が良い
- 英語の語順のまま英語で理解できるようになる
- 英語に対する反応が早くなる
シャドウイングは昔から同時通訳の練習方法として広く用いられてきたやり方ですが、最近では英語学習に効果的だとして、一般にも広く広まった学習方法です。
実際、私が初めてシャドウイングというやり方を知った20年前には、英会話学校の先生でさえ、知っている人は少数派でした。
シャドウイングとは、元々ボクシングからきている言葉で、相手の動きを影のようについていく、ことから始まっています。
やり方は、その名の通り、英語の音声を流したら、聞こえてきた音声を1~2語遅れて口に出していく、というもの。
シャドウイングが完璧に出来ている状態だと、聞こえてきた音をその場で理解してすぐ声に出せるようになるため、
- 聞こえてきた英語をリアルタイムに理解するリスニング力
- 聞こえてきた英語を即座に真似することで得られるスピーキング力
- 英語に対し、即声に出して反応するクイックレスポンス力
が同時に身に付くという、素晴らしいやり方です。
特に、日本人が見落としがちな3点目クイックレスポンス力は、ネイティブと会話をする上でも、ビジネスで使う上でも欠かせません。
ネイティブの会話が早すぎてついていけない、ビジネスの会議で口を挟めなくて全く発言ができない、なんてことはありませんか?
そんな場で発言を待ってもらえるのは、1対1での会話を除けば、その場のキーパーソンか、ポジションが高くてみんなが発言を待つような立場の人になってからです。
リーディングは自分のスピードでできても、インタラクティブな会話はスピードについていけない時点で周回遅れ、リスニング・スピーキングにおいては、なんだかんだ言ってスピードも重要なのです。
効率的なシャドウイングのやり方
- 最初からいきなりできる人はいないので心配する必要はない
- 最初はテキストを見ながら、一文ずつ区切って聞く→声に出す、の繰り返しがおススメ
- 慣れてきたら音声は止めず、影のようにあとをついていくシャドウイングを実践
では、実際にシャドウイングをやってみましょう。
やってみると分かりますが、最初は全くできません。
5語程度までは覚えられて口に出せても、口に出している間に音声が言っていることが覚えられず、分からなくなってしまい、1センテンスが終わるまで待って次のセンテンスの頭からもう一度、というような状態になってしまいます。
心配はいりません。最初は誰でもそうです。
シャドウイングを始めるには、いきなり気負わず、順を追ってコツをつかんでいくことが重要です。
私がおススメするやり方は以下の通りです。
- テキストを見ながら英文をひととおり聞いて、文章全体の概要をつかむ
- テキストを見て意味を理解しながら、英語音声を1センテンスずつ一時停止し、テキストを見ながらセンテンスを声に出す
- テキストは見ずに、英語音声を内容を聞いて、理解しつつ記憶しながら1センテンスずつ一時停止してから声に出す
- テキストを見て意味を理解しながら、英語音声を途中で停止せず、テキストを見ながら追いかけるように声に出す
- テキストは見ずに、英語音声を途中で停止せず、聞こえてきた音声を内容を理解しつつ記憶しながら、追いかけるように声に出す
当然ですが、練習の際には、聞こえてきた音声をオウム返しにするのではなく、同時に意味を意識する必要があります。
意味を理解しながら行うと、「あれ?(本当はあるはずの)冠詞が聞こえてない」と言ったことが分かり、リスニングの弱点強化につながります。
これだけ繰り返すと、上記ステップの5番目をやる頃には英文を丸暗記してしまっていることもありますが、別に構いません。
丸暗記していようといまいと、耳から聞こえてきた音を意味を意識しつつ口に出すようにすれば良いのです。
また、丸暗記している方が、「あれ、ここに冠詞や前置詞が入ってるはずなんだけど、今、ちゃんと聞こえなかったな」ということが分かったりして、より効果的です。
慣れてくると、1→3→5というようにステップを飛ばせるようになったり、いきなり5からできるようになったりします。
馴染みのないトピックの場合は全ステップを、よく知っている話の場合は1→3→5でという具合に、緩急つければより効果的に進められます。
シャドウイングにおススメの教材・アプリ
- 初めてシャドウイングをするなら、英文の長さがちょうどよく、トピックにも癖のない「ダイアローグシリーズ」がおススメ
- アプリでは「スタディサプリEnglish」のディクテーションとなりきりスピーキング機能が初心者から中級者向き
- ある程度慣れたら「CNNニュース・リスニング」や「TED」が難易度もあがってやりごたえがある
私が学生時代にシャドウイングを本格的に勉強していたときは、ALCのリピーティングマラソンという講座があり、それが非常に効果的でした。
私のシャドウイングのやり方の基礎はほとんどこの講座で学んだものです。
いつの間にかこの講座がなくなってしまったので紹介できないのですが、なんでなくなってしまったんだろうなぁ。。。
ないものは仕方ないので、代替で使えるものからご紹介していきます。
英単語・熟語ダイアローグ Basic 1200・1800
初めてシャドウイングをやるには、英文の長さがちょうどよく、専門的なトピックのない、ダイアローグシリーズがおススメです。
1200の方はTOEIC 500-650点、1800の方は770-860点とされてますが、意外と1200でも難しく、個人的には1200だけでももっと上が狙えると思います。
実際、私がTOEIC935を取った時は、1200の方しか勉強していませんでした。
実践に使うには、会話スピードがゆっくり目ですが、その点も初めてシャドウイングを始める人にはちょうど良いと思います。
スタディサプリ English
シャドウイングに使えるアプリにはTEDなどの優良教材がたくさんありますが、スピーチなのでちょっとハードルが高いという方には、まずこちらがおススメです。
このアプリは複数の学習メニューがありますが、私が特にシャドウイングの練習に使えると感じたのは「ディクテーション」と「なりきりスピーキング」。
ディクテーションは発話された英文を時間内に入力します。
次の単語のガイドラインが出るので普通に書き取るよりやりやすいですが、逆に曖昧さが許されないので、聞き取りにあやふやなところがある場合は、先に進めなくなって時間切れになってしまいます。
単語の入力に気を取られ過ぎて、その後の英文を忘れてしまうという使いにくさもありますが、曖昧さを許さない造りは役に立ちますので、この点はおススメです。

スタディサプリEnglishのメニューとディクテーションの画面
なりきりスピーキングでは英文を表示せず、聞き取った通りに繰り返す使い方がおススメです。
字幕を表示しないという選択肢がないので、日本語を表示して、画面は見ないようにして使いましょう。
英語字幕のときは簡単だったのが、見ないようにすると、意外と難しく感じると思います。
なお、スピードは全体的に結構ゆっくり目なので、私は「速い」に設定しています。
正直、リスニングの練習用にはそれでもまだゆっくりだと思うのですが、その分シャドウイングにはちょうど良いくらいになります。
スピードについては、慣れたら早い段階から「速い」に設定されることをおススメします。
CNNニュース・リスニング
シャドウイングに慣れてきたらこちらがおススメです。
いきなりニュースでハードルが高そうですが、この本自体が英語学習に特化した造りになっているため、そうでもありません。
英文もそれほど長くなく(むしろ1800より短いくらい)、音声もポーズ入りも含めた複数パターン用意されているので使いやすいです。
秀逸なのが、ニュースキャスターの容赦ないスピードがナチュラル音声として入っているのに対し、シャドウイング練習用にゆっくり発音の音声が用意されているので、じっくり練習できます。
ニュースから持ってきているので、単語や熟語は難しめ。それすら勉強になるので良いのではないかと思います。
また、3ヶ月に一回新しい版が出ますので、どんどん新しいトピックに触れ、最新の話題に英語で触れられるのも良い点です。
TEDICT (iPhone) / TED ME for TED (Android)
もはや英語学習の定番になった観のあるTEDもシャドウイングの強い味方です。
学習用には、無印のTEDではなく、iPhoneならTEDICT、AndroidならTED ME for TEDがおススメです。
このアプリの素晴らしいのは英語字幕が入れられること。最初は字幕を見ながらという、シャドウイングの基礎練習方法が達成できます。
Android版のTED ME for TEDは日本語字幕にしたり、日英字幕両方を出したり、シャドウイングのために自動でポーズが入る機能があるそうです。
残念ながら、iPhone版の方にはありませんので私は使っていませんが、Android版の方はぜひ試してみてください。
Shadowing – English Speaking
オバマ元米国大統領の演説が映像つきでシャドウイングの練習に使える教材です。
このアプリが何より秀逸なのは、テキスト表示の有無を選べるところ、シャドウイングした音声を自動でチェックして、発音できていない単語を指摘してくれるので、自分の弱点が分かる点にあります。
また、本文中で分からない単語は付属の辞書でそのまま調べることができます。

赤字部分が音声認識できなかった単語。最後の一文はオバマさんが早口になるのですが、真似をしてみましたが、ちゃんと言えてませんでした
教材がオバマ大統領の演説に限られているので、もっと題材を増やしてくれないかなぁと思っています。
シャドウイングにおススメの教材・アプリ まとめ
シャドウイングにおススメの教材・アプリ、いかがでしたでしょうか?
私の英語力の基礎は全てシャドウイングによって形成されたと言っても過言ではないほどお世話になった(今もなっている)学習方法です。
シャドウイングによって今よりずっと英語が話せるようになる人はもっとたくさんいるはずなので、私としてもぜひ広めたい方法です。
リスニングもスピーキングもまだまだいけるはず!頑張りましょう!
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