今日も引き続き、英語のなまりの話におつきあいください。
今日は、世界的にはあまり有名ではありませんが、知ってる人は知っているタイ人の英語なまりについです。
タイ人の英語力
スウェーデンの語学教育機関EF Education Firstの2017年の調査によると、タイは80カ国中53位、アジアでは20カ国中15位とかなり低い順位となっています。
なお、同じ年の日本は37位で、比べるとタイの英語力の低さが分かるかと思います。
昨日・一昨日と見てきたシンガポールは5位、インドは27位です。
ただし、これにはトリックがあります。
タイは日本に比べても貧富格差の大きな国です。田舎では学校にあまり行かず、家の手伝いをしている子供もたくさんいます。
また、タイでは英語の先生に資格や英語試験の点数を課していないので、田舎ではまともに英語を教えられる先生が不足している実情もあります。
その点、バンコクは、家が裕福で高等教育を受けた人が多く存在しており、そんな家では、学費が公立学校の何十倍もするインターナショナルスクールに通わせたり、米英を中心とした英語圏への留学も珍しくありません。
そんなバックグランドをもつ人は、特に欧米系外資系企業に多く、彼らはネイティブ顔負けの流暢な英語を話します。
そんな人はバンコクの一部にしかいないのは確かですが、富と教育機会が偏っているのを反映して、英語力も偏っているのがタイの実情と言えそうです。
タイ人の英語アクセント
そんな一部の留学経験者を除けば、一般的なタイ人の英語アクセントは、タイ語のイントネーションをかなり踏んだものとなっています。
具体的には、語尾が上がり気味になります。特にcenterなどの最後が伸びる音ではそれが顕著です(正確には、語尾が上がった後、最後だけがちょっと下がります)
面白かったので、こちらの動画をご覧ください。タイで英語の授業をネタにしたコント番組の一部です。
ちょっと分かりにくいですが、0:11~0:19あたりの英語が典型的なタイアクセントの英語になっています。
また、この動画でもネタにしている通り、タイ語対応の綴りで読まれることが多いのも事実。
タイ語は独自の表記文字を使いますが、タイ語表記と英語のアルファベットとの対応の規定も設けています。chはタイ語の「チ」に近い音を表記するのに対応するアルファベットとされているため、chaosを「チャオ」と発音するというネタができるようになります。
(語末のsを読まないのもタイ語の特徴)
動画を見ると分かりますが、タイ語のアクセントがそのまま英語にも引き継がれています。
これは日本語なまりの英語と非常に傾向が似ています。
昨日、インドでは州の数だけなまりが異なるという話をしましたが、世界ではもっと、国の数だけなまりが異なるというのがよく分かるかと思います。
タイの英語教育の今後
タイでは2011年から小学校での英語教育が義務化されました。
しかしながら、前述の理由により、あまり機能しているとは言い難いのが実情です。
また、タイ人も日本人同様シャイな人が多いため、外国人を前にすると、英語を話さなくなってしまう、というメンタリティが働いている側面もあります。
日本では2020年に小3から英語が必修化されるそうですが、果たしてどうなることでしょうか。
個人的にはタイ同様、対応できる先生がそんなにいるのかなぁという点が心配になります。
とは言え、様々な試みがあるのは良いことだと思いますので、ぜひ良い方向に働いて欲しいですね。
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