みなさん、英語学習頑張っていますか?
私は海外駐在の経験もあり、今も普段から仕事でも英語を使っていますが、海外で育った経験も、留学した経験もなく、始めは非常に苦労しました。
英文メールを書くのに1時間かけたり、英文契約書を読みながら寝てしまったりなんてことは、さすがに今ではありませんが、それでも今でも苦労しています。
今日から何回かに分けて、私が英語学習で使っている本、アプリをご紹介したいと思います。
初回の今日のテーマは「ボキャブラリーを増やす」です。
私は元々ボキャブラリーが非常になく、今もうっかり何もしないでいると、すぐに単語を忘れていきます。それを解消するために普段からやっていることを合わせてご紹介します。
ネイティブのボキャブラリーレベルを知って、自分の目標レベルを設定しよう
- 英語学習者がまず目標とすべきは2,500語(多少の不自然さはあっても、伝えたいことが全て言えるレベル)
- 最終的には10,000語レベルを目指そう(ネイティブとストレスなく会話できるレベル)
まず本題に入る前に、果たしてネイティブは何語知っているのでしょうか?
「Test your vocab」というサイトによると、以下の通り。青い線が該当する歳の50%のネイティブスピーカーが知っている単語レベルです。

ネイティブ英語話者のボキャブラリー
(出典:Test your vocab)
まとめると、以下の通りになっています。
- ほとんどの大人のネイティブスピーカーのボキャブラリーは20,000 – 35,000語
- 平均的なネイティブは8歳で10,000語を話す
- 平均的なネイティブは4歳で5,000語を話す
英語は一般的に3,000語分かれば、80~90%が理解できると言われていますが、この時点で既に4歳の子供より少ないわけですね。びっくりです。
さらに、Street-Smart Language Learningという、こちらのサイトでは、各言語で必要なボキャブラリー数を一般化して以下のように定義しています。
- 250語 – 言語のコアとなる単語。これらの単語なしでは文章をつくることが出来ない
- 750語 – その言語を話す誰もが毎日使う単語
- 2,500語 – 多少の不自然さはあっても、伝えたいことが全て言えるレベル
- 5,000語 – 低学歴のネイティブスピーカーのレベル
- 10,000語 – 高学歴のネイティブスピーカーのレベル
- 20,000語 – 著名な作家の文学作品を読んで理解し、楽しむのに必要なレベル
Test your vocabの結果と比較すると、高学歴で10,000語は少ないんじゃないかとツッコミたくなりましたが、それは自分のボキャブラリーが10,000語に達してから考えれば良いかと思います。
というわけで、ほとんどの英語学習者がまず目標とすべきは、まずは、
- 2,500語 – 多少の不自然さはあっても、伝えたいことが全て言えるレベル
最終的には、高学歴のネイティブスピーカー云々はおいて、英文雑誌等がストレスなく読め、ネイティブとの会話でも分からないことがない、ノンネイティブとしては最高レベルの
- 10,000語 – 高学歴のネイティブスピーカーのレベル
を目指すべきでしょう。
目標は高く、でも直近の目標は手が伸ばせるところに置くのがコツです。じゃないと、続きません。
なお、ボキャブラリー数とTOEICの点数マッピング表もよくWeb上で見ることが出来ますが、見ると分かりますが、かなり幅があります。
TOEIC900を取るのに必要な単語数が、あるサイトでは3,700語になっているのに、別のサイトでは10,000語になっていたり。
ちょっとこの例は極端かと思いますが、なので、あまり試験に必要なボキャブラリー数には惑わされない方が良いと思います。
個人的な体感としては、私がTOEICで935点をとったときは、「多少の不自然さはあっても、伝えたいことが全て言えるレベル」くらいだったと思うので、TOEIC900点の目安は2,500語~3,000語くらいなのではないかと思います。
余談ですが、日本語のボキャブラリーのテストがこちら↓で出来ます。こちらをチェックしてみると、ネイティブ35,000語というのが、身をもって体感頂けるかと思います。

自分のボキャブラリーレベルを知ろう
- 自分の現在のレベルを正しく知ろう
目指すボキャブラリーレベルを設定したところで、まずは自分の現在のレベルを把握しましょう。
英語のボキャブラリーレベルを測るには、以下のサイトが良いのではないかと思います。どちらも登録等無しで診断できます。
Weblio語彙力診断テスト
25問の問題が出て、表示されている英語の適切な意味を5択(意味の選択肢4つと、「ここには正解はない」という選択肢があります)から答える形式のテストです。
評価されているのは「問題に正解したかどうか」と「回答にどのくらい時間がかかったか」の2点で、回答次第で、次に出題される英単語のレベルも変化する仕組みです。
回答の制限時間が10秒という制限があるにも関わらず、インタフェースがやや分かりにくく、表示される文字も読みにくいため、初めて使うときは戸惑うと思うので、1回目は使い方の把握に、2回目が本番くらいの感覚でやった方が良い気がします。
Test your vocab

3ステップに分かれていて、1ステップ目と2ステップ目は知っている単語にチェックを入れていきます。1ステップ目で答えた単語によって、2ステップに表示される単語のレベルが変わり、よりボキャブラリーレベルを詳細に絞り込んでいます。
反応速度は見られていませんので簡単にやり直すことが出来ます。
注意すべきは、理解が曖昧な単語にはチェックしないこと。でないと、正確なレベルが出ません。
他にもアルクの英単語力診断テストも教材としては良いのですが、目安となるボキャブラリー数が結果に出ないのでここでは外しました。
私がやったみた結果では、Weblioで6,001~7,000語、Test your vocabでは8,190語と出ました。厳しくやったつもりなのですが、Test your vocabの方がどうしても多めに出てしまうかも知れません。
単語を覚える際のコツ
- とにかく反復学習
- 使い方(例文)も覚える
- 単語のイメージで覚える
ひたすら反復
単語を覚える際のコツ、それは一にも二にも、
反復学習
です。
人間の脳には忘却曲線というものがあります。一度覚えたことでも、一日後には6割、一週間後には8割忘れている、というものです。
ただし、これも反復学習することによって、忘れるまでの周期を長くし、最後には脳に定着させることが出来ます。
特に効果的なのは、覚えた当日と翌日。その後も、一週間後、一か月後と定期的に復習することで、すぐに思い出せるようになり、しかも、忘れなくなります。
最初の勉強を無駄にしないためにも、スキマ時間でこまめに復習しましょう。
意味と同時に使い方(例文)も覚える
英語の日本語訳だけを覚えていると、使い方が分からなくなることがあります。例文も一緒に覚えた方が良いということです。
例えば、中学英語の簡単な例で言うと、see、look、watchは日本語では全て「見る」と習うかと思います。
しかし、実際の英語では以下のような使い分けがされています。
- see – 見える、目に入る、分かる、といった意味で使う。
例:I saw him in the hospital yesterday.「昨日、彼を病院で見かけた」など、「目に入った」というニュアンスが強い
- look – look at~で「~を見る」
例:Look at me.「私を見て」→「こっちを見て」など、自分の意思で何かを見る
lookだけだと「~のように見える」
例:You look like tired.「疲れているようですね」
- watch – (動くものを)見る。
例:I was watching TV when he came back.「彼が戻ってきたとき私はテレビを見ていた」
単語の使用例も一緒に覚えることで、単語の使い方が分からない、使い方が間違っているという事態が避けられるでしょう。
特に、動詞、形容詞、副詞では、複数の例文を一緒に覚えるのが好ましいです。複数の例文を覚えることで、次に述べる単語のイメージも醸成されていきます。
単語のイメージで覚える
最初のうちは英語と日本語の対応でとにかく量をこなして行く、で構わないと思います。
覚えた単語が増えるにつれ、新しい単語に出会っても「きっとこんな意味だろう」と意味の推測がつくときや、知っているはずの単語で見たことのない使われ方があっても「ニュアンス的にこんな感じかなぁ」と思うことがあると思います。
この状態こそが「イメージで覚える」ことが出来ている状態です。
分かり易い例は、英語の接尾辞(prefix)、単語の頭につくものです。
例えば、in- やdis- は、意味を否定するときに使うことが多いなというイメージを持っていたとして、新しい単語として、informalやdiscloseが出てきたとします。
この際、formal(公式の、形式ばった)やclose(閉じる)を知っていれば、informalもdiscloseもおそらく元の意味を否定した意味だろうという推測が成り立つと思います。
まず分かり易いのは、in-、dis-などの否定(逆の意味)のイメージ。次は恐らく、外側(ex-)や内側(in-)のイメージ。
さらには、最後に-ntとついている単語は、人間の職業だろうという想像が付くようになります。
これが徐々に、この単語は何かから分断されているイメージとか、何かが可能だと言っているんだろうとか、イメージがどんどん広がっていきます。
日本語でも新しい単語に出会っても、既知の単語からなんとなく意味のイメージがつかめることがあるかと思いますが、英語でもそれが可能だということになります。
レベルにあった教材選びが重要!
タイトルの通りです。1,000語しか覚えてない人がいきなりTIMEの記事を読むことは出来ません。
ここでは、いきなり0から始めるのではなく、最低限、日本の中学校の英語教育を受けてきている人を想定して書いています。よって、現段階でも最低1,000語程度は単語を覚えていると思われます。
- ボキャブラリー5,000語までは「TOEFLテスト英単語3,800」がバイブル
- 10,000語までいくには「発信型英語10,000語レベル スーパーボキャブラリービルディング」
- アプリは忘却曲線に沿った学習機能を備え、12,000語まで対応している「究極英単語」がおススメ
- 5,000語までなら「Mikan」や「スタディサプリ英単語」も
ボキャブラリー数5,000語達成までにおススメの教材
単語教材の中ではかなりバイブルだと思います。神部孝さんの「TOEFLテスト英単語3,800」がおススメです。
TOEFLというタイトルですが、載っている単語は汎用的ですので、大学受験、TOEIC他なんでも使えます。
実際、私は長いこと単語はこれしか勉強してきませんでした。
この本は何がすごいって、本の内容に手作り感があります。
ここで言う手作り感とは、一つ一つの単語を丁寧に選び出したんだろうなという感覚です。恐らく筆者は単語教材を作成するにあたって、どの単語を載せるか、一つ一つアナログ的に用法や使用頻度を確かめて選択していったのではないかと思います。そのくらい汎用性の高い単語ばかりが並んでいます。
優れている点:
-
- 著者自らアナログ的に選んだと思われる単語の選択が素晴らしく、5,000語までの単語の教材としてはこれ一つで十分
- 一単語の日本語の意味が一つだけでなく、重要なものはほとんど全て載っている
改良して欲しい点:
-
- Rank1の単語は例文がない
- 単語によっては、例文が複数欲しい
ボキャブラリー数10,000語達成までにおススメの教材
おススメというか、10,000語になるとこれしか教材はないかなという気がします。
正直なところ、本としては見やすさに欠け、あまり使いやすいとは言えません。
内容も色々盛り込み過ぎていて、中途半端な印象を受けます。
しかしながら、こちらも単語の選定が素晴らしく、絶対使わないと思っていた単語が、TIMEを読んだり、仕事の中で、じわじわと効いてきていたりします。
優れている点:
-
- 10,000語の単語の選定が素晴らしい。絶対使わないと思っても、意外と後から効いてくる
改良して欲しい点:
-
- 語呂合わせの単語の覚え方が不要。このレベルでこんな覚え方をする人はたぶんいない
- 練習問題が中途半端なので、いっそなくして他の例文などの記載にページを割いてほしかった
- 例文一歩手前の熟語形式で用法説明があるが、中途半端なのでがっつり例文を入れてほしかった
- 第3章からは輪をかけて見づらくなる
単語を覚えるのに役立つアプリ
忘却曲線に則ってサポートしてくれる「究極英単語」が一番おススメ!
英語独学に役立つアプリ3選でもご紹介した通り、個人的には究極英単語というアプリが気に入ってずっと使っています。

究極英単語の画面
このアプリの特徴は、なんといっても、忘却曲線に則って単語を表示してくれる点にあります。
表示される単語の訳の正解をひたすらタッチしていくのですが、間違えると、その単語のその後の出現頻度が変わります。間違えた単語はその後頻繁に、間違えなかった単語はしばらく出てこない、という具合に、脳に定着するよう、考えられた設計になっています。

使う教材は目的に応じて選べる
教材は目的に応じてダウンロードして使いますが、「使用頻度英単語」は12,000語をカバーしており、私の知る限りでは、英単語アプリでは最大の単語数をカバーしています。
10,000語を目指す人には、必然的にこのアプリでないと足りなくなると思います。
優れている点:
-
- 忘却曲線に合わせた単語の選択・表示をしてくれるので、記憶に定着しやすい
- 回答方式が複数パターンあるので、曖昧な覚え方でパスしてしまうことがない
- 例文が充実している
- 単語数12,000語までサポートしている
改良して欲しい点:
-
- 4択の選択肢の表示が、明らかに違いすぎていて、テストのテクニックとして正解が分かってしまうことがある
- 表示される日本語がたまに変
- 意味と一緒に表示される写真が、記憶の定着にはほぼ役にたたない
- 例文を読み上げる音声が機械音声っぽい
- 回答までにかかる時間は測っていない
- 永久パスポートが7,400円とちょっとお高い(ただし、頻繁に半額セールをやっている)
- 2018年8月現在、Android版がない
「TOEFLテスト英単語3,800」もサポートしてるMikan
「究極英単語」のまえに私が使っていたのが、このMikanです。このアプリは教材に様々な日本の英単語教材を取り揃えていますが、なんと、「TOEFLテスト英単語3,800」も教材としてサポートしています。

Mikanの画面
このアプリでは、10~100語ずつ(設定可)表示された単語について、4択から回答を選んでいきます。間違えた単語は後でまとめて復習することができます。

目的に応じて様々な出版済み教材がサポートされている
優れている点:
-
- 「TOEFLテスト英単語3,800」をはじめとする、複数の日本の出版社の英単語教材をサポートしている
- 間違えた単語をあとでまとめて復習できる
- 回答までにかかる時間を評価に入れている
- サポート単語数は5,000語程度
改良して欲しい点:
-
- 例文がない
- 教材毎に落とし切り価格がかかるので、何種類も買うと高くつく
- 日→英やリスニングの機能がPROに申し込まないと使えない(600円/月~)
無料アプリの中では一番使える「スタディサプリ 英単語」
最近、「スタディサプリEnglish」が人気のスタディサプリシリーズも英単語アプリを出しています。しかも、こちらは無料です。

スタディサプリ英単語の操作画面
このアプリでは、まず目的(TOEIC、大学受験、中学英単語・高校受験)を選択し、チャレンジモードで現在のレベルを測ります。
その後、レベルに応じた教材を選び、4択の意味当て、Listening、Speaking、Writingのそれぞれのコースで、10語ずつテストに答えていく形になります。
優れている点:
-
- 完全無料
- 4択の意味当て、Listening、Speaking、Writingと学習方法が多彩に工夫されている
- 間違えた単語をあとでまとめて復習できる
- 回答までにかかる時間を評価に入れている
- レベルが上がりやすいのでモチベーションが保てる
- サポート単語数は3,500語程度
改良して欲しい点:
-
- 一度の練習内容が10単語で固定
- 例文がない
- 飽きないように工夫されている音楽や掛け声が邪魔に感じるときがある
ボキャブラリー目標設定・強化に役立つ教材・アプリ まとめ
ボキャブラリー目標設定の考え方、強化に役立つ教材・アプリ、いかがでしたでしょうか?
私も頑張ってきたつもりでしたが、ネイティブとストレスなく会話できるレベルにはまだまだ足りないということが分かってショックでした。
長年使ってきた「TOEFLテスト英単語3,800」はもうボロボロですが、「発信型英語10,000語レベル スーパーボキャブラリービルディング」もボロボロにして、10,000語達成してやろうと思います。
頑張っていきましょう!
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コメント
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