今日はコソボ西部の都市ペヤ(ペーチ)に向かいます。
プリシュティナからペヤへ
ペヤはアルバニア語の呼称で、セルビア語ではペーチと言うそうです。
プリシュティナのバスターミナルからペヤまでは、バスが1時間に2~3本出ており、所要時間も1時間30分+αと便利です。電車も1日に2本あるそうで、コソボでは珍しい国内線の電車ですが、所要時間2時間とバスより時間がかかり、何より本数が不便過ぎるので使うのは止めました。
バスは昨日と同じバスターミナルに向かいますが、今日は荷物があるのでタクシーを使います。タクシーで5 EUROくらいだった気がします。
プリシュティナ8:40発のバスで10:10頃ペヤには着きました。
ペヤのバスターミナルは町の東の方にあるので、そこから町の中心街に出て、ホテルで荷物を預けた後、まず、ペーチ総主教修道院に向かいます。アルバニア系住民が多いペヤでは、ペヤ修道院と呼ばれますが、セルビア正教会の修道院なので、ここではセルビア語のペーチ修道院と呼んでおきます。
周りの景色と合わせて印象的だったペーチ総主教修道院
ペヤ中心部からペーチ総主教修道院までは歩くと30分程度かかります。
ペーチ総主教修道院は、2004年に世界遺産登録された「デチャニ修道院」が2006年に「コソボの中世建造物群」として拡大登録された際、世界遺産リストに加えられました。コソボ共和国の独立は2008年であるため、「コソボの中世建造物群」が世界遺産登録されたときは、セルビアの世界遺産として登録されたことに加え、コソボ共和国自体の独立が国際的には111カ国が承認、85カ国が承認拒否という状況になっているため、ここも登録上はあくまでセルビアの世界遺産ということになります。
実際、イスラム教徒が大半を占めるコソボのアルバニア系住民の中で、セルビア正教会で重要な位置を占めるこの修道院は、前日のグラチャニツァ修道院同様、コソボの中のセルビアの飛び地に相当します。
そして、民族感情がくすぶるコソボの中でセルビア正教会の修道院がポツンとあるのは難しいらしく、世界遺産登録時には同時に危機遺産リストにも加えられ、2018年11月現在未だに解除されていません。
そのため、ペーチ総主教修道院の入り口の前には小さな小屋があり、KFOR (Kosovo Force、コソボ治安維持部隊)の人がパスポートチェックを行っています。最も、翌日に訪れたデチャニ修道院が完全武装していたのに比べると、ここは入り口に警備員のおじさんが立っている趣で平和でした。
パスポートは入るときに預けて、帰るときに返してくれる場合もあれば、入るときにチェックしてその場で返してくれたときもありました。対応は人によってマチマチなようです。そして、このKFORの人が、修道院への連絡係にもなっていて、小屋から修道院に連絡し、観光客が行ったから修道院を開けるよう、依頼してくれます。
入り口の門をくぐり、修道院建物の入り口までまだ少しあるのですが、その間にはルゴヴァ渓谷のすそ野が広がり、非常に美しい環境の中に建っている修道院であることが分かります。
次回行くときはルゴヴァ渓谷まで足を延ばしたいです。
修道院外観はこんな感じ↓。内部のフレスコ画が素晴らしいのですが、残念ながら、こちらも内部の写真撮影は許可されていません。
修道院に着くと、修道女がカギを持ってすでに待っている場合もあれば、しばらく待っていると来てくれる場合もあります。
本職は修道女なので、基本はカギを開けたら、こちらの見学が終わるまで本を読みながら入り口のところで待っていてくれるのですが、こちらから質問すると教会の由来を答えてくれることもあります。こちらがフレスコ画に夢中になっていても、辛抱強く待っていてくれてありがたかったです。
ペーチ総主教修道院の設立年代は不明とされており、13世紀にブルガリア帝国の脅威にさらされたセルビア正教会の大主教座がここに移ってきたことで、セルビア宗教界での第一の座を占めるようになります。さらに、その後、セルビア正教会がコンスタンチノープルの総主教庁から独立したことで、大主教座から格上の総主教座になりました。
修道院の中は3つの教会がつながって出来ており、真ん中の聖使徒教会が最初に建てられ、その後、両脇の二つの教会が建て増されました。
中庭はこんな感じ↓で、さらに古い時代の建物の一部が遺跡として残っています。
私が行ったときは、私以外には観光客はおらず、非常に静かな修道院でした。美しい渓谷の中に静かに佇む落ち着いた修道院、この世の喧騒とは隔絶された世界が広がります。
修道院を出てすぐの通り↓。言葉がないくらい美しい場所でした。
ペヤ旧市街散策
修道院に居座りたいくらい気に入ったのですが、そういうわけにもいかないので、中心部へ戻り、旧市街へ足を延ばします。
旧市街の見どころはなんといってもバザール。街並みにオスマン朝時代の雰囲気がそのまま残っているとのことですが、どこか日本の古い街並みにも似てる気がするのは私だけでしょうか?
千葉の成田山参道の両脇とか、こんな感じだった気がするんですが。。。?
旧市街には大きなものだけでモスクが3つあり、これ↓はそのうちのデフテダル・ジャミーア(Deftedar Mosque)
なお、このモスクには、背中に出来物のある小柄な男性がいて、馴れ馴れしくしてくるので、女性は気を付けた方が良いです。馴れ馴れしいだけでなく、実際、人のいないところに連れ込もうとしますので、かなりヤバい人だと思います。この写真にも青い服を着て映ってしまっていますが、どいてくれと言ったのにどいてくれなかったのは本人なので、このまま晒しときます。
旧市街を散策して、殉教者広場まで戻ってきます。すごい名前の由来が分かりませんが、名前を感じさせるものはなく、のんびり広々とした広場です。ただ、たまにKFORのジープが停まっていることはありました。左手前のマンションらしき建物の変わったデザインが気になります。
殉教者広場から西にテウタ女王通りを歩いて行くと、アイスクリームの屋台、カフェやレストラン、食べ物屋が広がります。
面白いのは、イスラム圏ではよく見ますが、こんな↓スパイスやナッツ類を山のように売っている店。カラフルなことに加え、様々な種類のスパイスがあって、見ていて飽きません。まぁ、私はこんなにスパイスを使わないので、見るだけで買わないんですが。。。
今日も夕食は買ったものをホテルで済ませることにし、ホテルに戻ります。
明日は大理石による建築が美しいデチャニ修道院に向かいます。
※実際の旅行日は2016年4月です。記載した内容は、特に断りがない限り、全て旅行日の見聞に基づきます。





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