【懐かし漫画の最終回!】魔天道ソナタ(天城小百合)

マンガ

小学・中学の頃、これと『ぴーひょろ一家』『アリーズ』『妖精国の騎士』などが楽しみで、友達と代わりばんこにプリンセスを買ってました(子供のお小遣いに月刊誌は高かった)。

 

プリンセスの出版元秋田書店は、今でも幅広いジャンルを扱う懐の深さを見せ、またその懐の深さがあったからこそ、当時落ち目だった手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』を生み出したという逸話もありますが、当時の少女漫画雑誌では、これだけおおっぴらにファンタジー路線の漫画を大量に載せていた雑誌は他になかった気がします

 

早速、衝撃のラストを見ていきましょう。

以下、ネタバレ、結末を含みますのでご注意ください。

 

『魔天道ソナタ』あらすじ

空の彼方にあるという天上界は3つの世界に分かれていた。天使たちの世界-天界- 悪魔たちの-魔界- そして天使と悪魔が集うはざまの国-魔道界-である。魔道界には天使と悪魔以外にも、ありとあらゆる不思議な生き物だちが仲良く暮らし平穏な暮らしを送っていました。悪魔と天使はそれぞれ「迎え霊」という仕事がありました。悪魔は人間の願い事を2つ叶え、天使は輪の光で魂を天まで導くと言う仕事で、悪魔と天使はペアでこの仕事を行います。ミカエルとフィラの少年のペアはどのような悪魔と天使になるのでしょうか…

(Amazon作品紹介より)

 

これ、Amazonを調べていたら、いつの間にかKindle化していてびっくりしました。

 

あらすじについては、概ねAmazon紹介文の通りです。

 

もう少し突っ込んだ話をすると、ミカエルは青銀の髪・蒼い目の美少年だが、ある過去の事件から周りから距離を置くようになり、天使でありながらも非常に冷たい印象を与える性格になってしまっている、フィラは金髪・緑の目の底抜けに明るく、ミカエルにベタぼれしている悪魔と、役職と性格のちぐはぐさ加減は上手いです。

 

そんなチグハグコンビが2人ペアで「迎え霊」の仕事を行うところからストーリーが始まったものの、魔界・天界・魔道界でそれぞれ不穏な動きがあり、何者かが二人を引き離し、ミカエルを手に入れようと陰謀を巡らす―――――――というところで、私はいつのまにかプリンセスは読まなくなっていました。

 

衝撃の最終回

 

その後、内容はまるで打ち切り漫画のごとく壮大になり、もう作者は半分ヤケなんじゃないかというレベルで話が広がり、当然のように地球が滅び、主人公二人が地球を救った風の未来を提示して完、という話です。

 

一応、もう少し細かい話は、白字反転で以下に記載↓。

サタンを陥れようとする陰謀に巻き込まれフィラは死んでしまう。ミカエルは思惑通り、天使から悪魔になるものの、絶対的な力が覚醒し、新たなサタンとして魔界を治める。全天使・悪魔・魔道使の協力もあって、一度はガイア(≒地球)の破滅は免れたものの、結局滅んでしまう。

ミカエルは、この状態を救えるのは自分しかいないと、地球に降り立ち、自分の魔力で浄化する。数千年後、緑が蘇った地球でミカエルは力尽きる。元の少年天使の姿に戻ったミカエルに、昔のままの姿のフィラが話しかけ、2人が新たなガイアとして地球を守っていくのだというところで完。

 

こういう、話を壮大にし過ぎて話を畳めなくなって無理矢理畳んだ感じの、ハッピーエンドなんだかなんだか分からん強引エンドって、昭和の時代の一時期流行った気がします。

直近だと『ヴァンパイア騎士』のラストがこんな感じでした。

 

それはともかく、「人類の滅亡」と「一部の人たちの幸せ」を天秤にかけた場合、現代の倫理観では「人類の滅亡」>>>>>>「一部の人たちの幸せ」にならざるを得ないわけで、主人公たちは一様に「人類の滅亡」>>>>>>「一部の人たちの幸せ」の使命感に燃えることになり、壮大エンドが一様につまらないのはそのせいかなと思ったりします。

 

まぁ、この漫画の場合は、人類も滅んでますけどね笑。

 

『魔天道ソナタ』その他のみどころ

 

絵が下手

 

正直、見どころでもなんでもないのですが、この作者、絵がかなり下手です。

表情がない、キャラの描き分けが下手というところに留まらず、右向きの顔が苦手と言った、プロがそれで良いのか?と言いたくなるようなレベルのものまで出てきます。

 

たまに現代地球を舞台にストーリーが進むこともありましたが、服のセンスも絶望的で、よくデッサンも狂ってました

 

ファンタジーもので、マントやズルズルした服が多いのは、雰囲気を出すためというのが一番の理由であることが通常ですが、この漫画の場合は、デッサン狂い隠しのためにそういう服を多用してるんじゃないかと邪推したくなります。

 

後半になるとだいぶまともにはなってきますが、残念ながら、決して上手いというレベルではありません。

 

もっともこの点は作者自身も自覚をしていて、単行本の柱でも自分の絵の下手さ加減については色々と言及をしていました。

 

この画力というハンデを抱えながらも、この壮大な物語をそれなりの雰囲気を出しながら描き切ったのは、特筆すべき点かと思います。

 

当時は少数派だったBLもの

 

BLものは竹宮恵子の『風と木の詩』以降、定期的に商業誌でも取り上げられる題材ではありますが、この漫画の連載当時は、やおい同人誌の勃興期だったこともあり、BLは同人でやれ的風潮があったように記憶しています。

そんな中、程度は緩いとはいえ、商業誌でBL路線に走っていたのもなかなか衝撃でした。

 

程度は緩いとは言っても、ロリコンBLレイプ(たしか未遂)シーンが出てきたりしてました。あと、前述の通り絵が下手なので、ただのキスシーンでも色気や胸キュン構図がなく、この手の展開はただただエグかった記憶があります。

 

同じBLでも、竹宮恵子の『風と木の詩』山岸凉子の『日出処の天子』が、あくまで耽美でその後の少女漫画界に大ブームを巻き起こしたのに対し、当時商業誌では下火だったBLをやって、作品が受けたにも関わらずBLが流行らなかったのは、やおい同人誌の流れと、このエグさにあったのではないかと思います。

 

あの人は今?

 

作者の天城小百合は『魔天道ソナタ』以外にメジャーになった作品がありません。

 

何年か前に大阪の漫画専門学校で講師をやっていた記憶がありますが、現在、その記録を見つけることは出来ず、本人が運営していたサイトも閉鎖されている模様です。

一時期、Web漫画でも何作か作品を発表していたと思いますが、これも今は見つけることは出来ません。

 

元々『魔天道ソナタ』を連載していた秋田書店では、もはや天城小百合の名前を見つけることはできずKindleもBeagleeから発売されています。

 

1966年生まれの作者は現在52歳。ちょっと早い気もしますが、漫画家としては引退されたということでしょうか。

 

『魔天道ソナタ』最終回 まとめ

 

天城小百合の『魔天道ソナタ』いかがでしたでしょうか。

 

正直、万人受けする名作というわけではありませんが、子供の頃夢中になってプリンセスを読んでいた一部世代には懐かしさだけで読みたくなる作品だと思います。

 

無茶苦茶ですが、思えばすごい時代でした。

 

 

コメント

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