NETFLIX『ラスト・ツァーリ ロマノフ家の終焉』の違和感と感想

雑記

昨日の記事でも書いた通り、NETFLIXのオリジナルドラマ『ラスト・ツァーリ ロマノフ家の終焉』を見ました。

 

面白かった点もあるのですが、違和感があるところもしばしば。

折角なので、こちらも感想を書いておきます。

 

改善して欲しい点

 

時代考証が適当すぎる?

 

この作品を見ようとして予告編だけ見て止めたロシア人の友達が言うには「時代考証が適当過ぎる」とのことでした。

彼が例として挙げていたのは、モスクワの赤の広場で、1930年に建てられたレーニン廟が1905年の場面として出てくるのはおかしい、とのことでした。

Московский Кремль №5.JPG
Автор: Sergey Korovkin 84собственная работа, CC BY-SA 3.0, Ссылка

 

ロシアではこのドラマの予告編が出た際、問題のシーンのスクリーンショットが出回り、大ブーイングだったそうです。

 

ちなみに、その問題のシーンは第2話、皇帝ニコライの叔父セルゲイ大公が暗殺されるシーンの直前にあったらしいですが、批判を受けて修正されたそうです。

私はレーニン廟が映ってないバージョンでしか見ていないので、これが本当なのかどうかは不明です。

 

正直、この手の違和感はハリウッド製作の日本の場面を見るたびに感じる違和感と同じものであり、指摘は分かりますし、時代考証のいい加減さに辟易することは私もありますが、別物だと思って見るしかないかなと思っていたりします。

 

砕けた英語でドラマが進む違和感

 

個人的にはこちらの方が違和感があります。ロシア皇帝一家が英語で会話する、という。

 

まぁ英語で作られたドラマなので仕方ないのですが、100歩譲って英語という点は目をつむるとして、皇帝一家なら使わないんじゃないかというような砕けた表現、さらに言うなら、汚い言葉が使われるのにも違和感があります。

 

分かり易くするため、ということなのかも知れませんが、時代劇には時代劇の言い回しがあるはずで、それを逸脱した言葉を話されると違和感しか感じなくなります

 

日本語字幕の方はそれほど変な表現にはなっていないので、日本語字幕を見るのは手ですが、どうしても耳に入ってきてしまうので、個人的にはこっちの方が気になって仕方ありませんでした。

 

エロよりドラマを見たかった

 

このドラマ、R18指定になっており、実際に性的な描写や暴力的な描写が複数あります。

 

革命と皇帝一家の最後を題材にしているので、暴力的な描写はある程度仕方ないと思いますし、恐らくこの程度の暴力描写では、暴力が原因でR18指定になることはないと思います。

 

R18指定になった原因は恐らく性的な描写。確かに、割と濃厚だったり、刺激的な描写が出てきます。

ドラマ上、そういった描写にも必然性があれば良いと思うのですが、正直なところ、その全てが必要だとは私には思えませんでした。

 

どちらかと言うと、R18指定により刺激的な描写があることを示唆して、視聴数を稼ごうとしているのではないかと邪推したくなります。

 

反対に、登場人物の心情の盛り上げであったり、なぜそういう結論になったのかという流れが省略されていたりするので、ドラマとしては話が飛んでいるようにも感じられ、消化不良のまま終わってしまいました。

 

まとめると、余計なエロシーンを見るより、人間ドラマを見たかった、ということです。個人的には。

 

そもそも6話に収めるには題材に無理がある

 

正直、この一言に尽きると思います。

おかげでドラマというには、登場人物に感情移入したり、ドキドキハラハラさせられるような話の濃さはなく、ドキュメンタリーというには、ドラマ部分が長すぎ、専門家のコメントが浅いです。要するにどちらを向いても中途半端です。

 

NETFLIXの歴史ドラマには同じ理由で失敗していると思う作品がいくつかあり、題材は好きなのに見てがっかりしました。

基本、壮大すぎるテーマを題材にすると、失敗するように思えます。

 

まぁ、好みの問題かも知れません。

 

良い点

 

貴重な画像や映像や多く使われている

 

NETFLIXの歴史ドラマはドキュメンタリー色が濃いので、現代に残されている画像や映像が随所に差し込まれています。

 

有名な写真・映像もたくさんありますが、初めて見たものもたくさんあり、これらが見れたのは貴重でした。

 

専門家の見解が聞ける

 

NETFLIX歴史ドラマのもう一つの特徴として、ドラマ化した分野を専門に研究している人のコメントをはさみながら話が進む、という点があります。

そういった人による、歴史背景の解説や見解が聞けるのはなかなか楽しいです。

 

ただこの点については、題材によっては数ある研究の中の一つの側面からのみの見解を聞いているというケースもあり、違う意見を持つ人からすると、納得できなかったり不快に思ったりするのではないかと思います。

 

私がそれまで聞いたことがあった説とは異なる見解を唱える場面もあり、専門家とはいえ、言っていることを鵜呑みにせず、あくまで一つの説として聞くことが必要なんだなと思いました。

 

あれだけのボリュームをコンパクトにまとめている

 

上に書いたのと真逆のことを書きますが、これだけの超長編を6話という短編にまとめたのは精力的な取り組みだと思います。

 

まぁ、上に書いた通りの理由で、個人的にはまとめ方として成功しているとは思えませんが、それでも、最後の皇帝が位についてから最期を迎えるまでの流れは一通り分かります。

その点は良かったと思います。

 

人物像はある程度描けている

 

これが一番すごいと思うのですが、6話という短さの割に、主要登場人物の人物像はある程度描けていると思います。

 

ニコライ2世だったら家族思いだが優柔不断な皇帝、アレクサンドラ皇后は家庭的だがヒステリックなパラノイア、ラスプーチンは底が見えない不気味な狂信者、皇帝一家の処刑を先導したヤコフ・ユロフスキーは皇帝を憎み一切の妥協を許さない冷酷な殺人マシーン、などなど。

 

もちろん、実際の人物はもっと複雑な側面を持っていたに違いありませんが、ドラマ制作者が強調したかった各人物の性格は、役者の上手さもあって、結構な完成度で描けているように感じました。

 

NETFLIX『ラスト・ツァーリ ロマノフ家の終焉』まとめ

 

というわけで、個人的にはNETFLIXのドラマのこの形式は賛成ではないのですが、偉そうに言うと、見るべきところはあるかなという感じです。

 

ドラマとしてもドキュメンタリーとしても、どちらかに寄せるか、寄せなくてももう少しなんとかして欲しいと思ってしまうのですが。

同じ理由で『ローマ帝国』シリーズも私的にはイマイチでした。こちらは途中で見るのを止めました。

 

英国の現エリザベス女王を描いた『ザ・クラウン』はかなり密度の濃いドラマとなっているようなので、今度はこちらを見てみようかと思います。

 

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