昨日のバンコクのタクシー事情に引き続き、海外でのタクシーの安全な乗り方です。
今日はタイ以外の東南アジア各国の状況を見ていきます。
最初にまとめを言ってしまうと、以下の通りになります。
- インドネシアはブルーバードなら絶対安心
- ベトナムはマイリンか、ホーチミンならビナサン、ハノイならタクシーグループが良い
- マレーシアは流しは使わず配車アプリを使った方がいい
- シンガポールはなんでもいいが、シフトチェンジの時間には注意
タクシーに安全に乗るために どこの国でも注意すべきこと
各国事情を見に行く前に、タクシーに安心して乗れる稀有な国である、シンガポール・日本を除く、全ての国で共通して注意すべきことを書いておきます。
- 観光地、歓楽街・風俗街周辺で客待ちしているタクシーはだいたいぼったくりです。これは、インドの空港の両替はどれもチート、と同じくらい真実ですので、絶対に乗らないようにしましょう。さまざまな理由でハイになった外国人を鴨にしようと待ち構えてます。声をかけてくるドライバーなんか絶対にダメです。ドライバーの持つ煮えたぎった鍋に自ら飛び込む鴨肉以外の何物でもありません。あとは喰われるのみです。絶対にやめましょう。
- 高級ホテルで呼んでくれるタクシーはだいたい大丈夫です。が、稀にホテルのドアマンとタクシーが共謀していることがあります。また、ホテルの敷地境界ぎりぎりのところで客待ちをしているタクシーはだいたいぼったくりです。これは、トラブルになるのでホテルが避けているタクシーが、この日見たばかりで現地のタクシー事情をまだ知らない僕達をつかまえるために待ち構えています。ホテルの人が呼ぼうとしないタクシーには何かしらの理由があります。絶対にやめましょう。
- 人は見た目が9割だそうですが、タクシーは見た目が10割です。ぱっと見に綺麗なタクシーを選んだ方がトラブルは少ないです。どういうわけか、インドネシアやベトナムの偽物タクシーは、車体がボロボロで汚いのが多いです。
- 日本のタクシーにしか乗ったことが無い人だと信じられない話かもしれませんが、日本以外のタクシーあるあるは、ドライバーがおつりを持ってないことも多いです。自衛策として、予めくずしておきましょう。たまに、おつりを渡したくなくて「ない」と言うドライバーもいますが、大抵のドライバーは本当におつりを持っていません。
- それらしいタクシーがつかまらないときは、配車アプリで手配した方が良い、です。Grabはここで挙げた国のどこでも使え、女性一人で何度も乗ってますが、トラブルになったことはありません。詳細は、Grabの配車依頼方法をご覧ください。
- 怪しいと思ったら、そもそも乗らないのが鉄則ですが、乗ってしまっている場合はすぐ降りた方がいいです。信号待ちか何かで停まったときに、適当なお金を払って逃げましょう。ジャンプの主人公のように正義感発揮してガチでタイマン交渉しても良いですが、ジャンプではないので、普通に殴ってくるドライバーもいますし、刃物を出してくる人もいます。主人公補正のかかってない日本人は、死んだら生き返れないので、止めた方がいいと思います。
では、これらの基本を踏まえて、各国事情を見ていきましょう。
インドネシアはブルーバードのタクシーが正解
(出典:Blue Bird社Webサイトより)
インドネシアではタクシー選びは困りません。ブルーバード社のタクシーを選べば間違いありません。
水色の車体にブルーバード社のマークを付けています。
なぜかブランドが「Blue Bird」と「Pusaka」に分かれていて、Pusakaの方は偽物と勘違いしますが、どちらもブルーバード社のブランドなので問題ありません。
ブルーバード社の人気にあやかって、インドネシアにはSepakat Taxi(スパカット)、Putra Taxi(プトラ)、Indo Taxi(インド)などの偽物ブルーバードが走っていますが、よく見ると、ロゴや細かいつくりが違いますので注意ください。
これらの偽ブルーバードは、現地インドネシア人でさえ、偽物であることに気づくと、タクシーを停めようとしていた手を降ろすくらいです。
タクシー強盗の話も聞きますし、言葉のおぼつかない外国人である我々は、トラブルに巻き込まれないためにも避けた方が無難でしょう。
(出典:Blue Bird社Webサイトより 車体の見分け方)
スカルノ・ハッタ空港を出てタクシー乗り場に行くと、一つだけ大行列ができているのがブルーバードです。
行列にひよって躊躇していると、すかさず偽物が声をかけてきますが、ここで誘いに乗ってしまうと、後で痛い目を見ますので、絶対誘いには乗らないようにしましょう。
安心なタクシーに乗りたいけど時間もない場合は、同じブルーバード社のプレミアムタクシー、シルバーバードがおススメです。
(出典:Blue Bird社Webサイトより)
料金はブルーバードの約2倍 (空港・ジャカルタ市内間で約 Rp. 330,000 = 2,500円) と高価ですが、その分、ブルーバードのように乗り場に行列が出来ていることはなく、大抵の場合、すぐに乗れます。
車体はメルセデスのセダンが多く、なにより、ほとんどのドライバーがそれなりに英語を解します。
インドネシアに長い日本人に聞いた話では、ブルーバードで数年の経験を積んだ人の中から、接客態度が良く、英語を解するドライバーのみが選抜されるそうです。
シルバーバードの難点は、空港から乗るときは何台もいるので困りませんが、ジャカルタ市内に出ると、流しはつかまらないことです。
高級ホテル、ショッピングモールには何台か停まっていることがありますので、そこから利用するか、電話かネットで配車予約をしましょう。
ブルーバードグループではありませんが、Tiara、White Horse Premiumといったプレミアムタクシーも、基本的なサービスレベル、料金はシルバーバードと変わりませんので、これらも問題なく使えます。
ホテルによっては、White Horseばかり停まっているところもあります。
なお、スカルノハッタ空港建物内のタクシーカウンターで手配できるのは、シルバーバードよりさらに上のゴールデンバードになります。
これはシルバーバードのさらに倍する、超プレミアムタクシーです。
当然安心感はありますし、間違いもありませんが、普通の人はそこまでする必要はないと思いますので、カウンターはスルーし、外に出て、ブルーバードかシルバーバードの乗り場を探しましょう。
ベトナムでは絶対大丈夫なタクシー会社はないが、評判の良い会社はある
ベトナムは残念ながら、インドネシアのように、ここなら絶対大丈夫!というタクシー会社はありません。どうも人依存が激しく、ダメなときはダメなようです。
ただし、タイほどバラバラでもなく、評判の良いタクシー会社というものもありますので、ベトナムでは、まずそんな会社を選ぶべきでしょう。
南北に長いベトナムでは、ホーチミンとハノイで評判の良いタクシー会社が異なります。
南部ホーチミンで評判が良いのは、こちら、Vinasun (ビナサン) タクシーです。
白い車体に赤と緑の線と文字が入っています。ワゴンかセダンと車体は広めです。
北部ハノイではTaxi Groupが安全です。白い車体に赤いラインと青い文字が特徴で、青いロゴと文字部分のデザインは下記写真以外にも色々あります。
ハノイの高級ホテルで待機しているタクシーもTaxi Groupが多く、そんな車の車体はホテルのロゴが青色で入っていることもあります。
ハノイの他のタクシーに比べて1.5~2倍くらいの料金設定ですが、車も広く、英語がそこそこ話せる運転手さんに当たることが多いのもTaxi Groupです。

(画面右上で英語を選んで切り替えてください)
MAiLINH (マイリン) Taxiはベトナム全土で展開している大手です。ハノイでもホーチミンでも見かけます。
ワゴンやセダンタイプもありますが、基本小型車が多いです。

マイリンは本物であればだいたい大丈夫なのですが、たまにステッカーを張り付けただけの偽物がいますので、注意しましょう。確実にぼられます。
個人的な体感では、ハノイよりホーチミンの方がぼってくるドライバーが多い気がします。
というより、私は一年くらい毎週のようにハノイに行っていた時期がありますが、ハノイでは一度もぼられたことがありません。
現地在住の人から、ぼられた話は聞くので全くいないわけではないと思いますが、とにかく経験はありません。
ホーチミンはハノイに比べて行った回数は圧倒的に少ないのに、明確にぼられたのが1回、土産物屋に連れて行かれそうになるなどのちょっと危ない目にあったことが2回あります。
イタリアもそうですが、南で温かくなると人がアグレッシブになるということでしょうか。よく分かりません。
注意事項として、ベトナムはお金の単位が大きい (1,000 VND = 4.75 円、2018年8月28日現在)ため、タクシーのメーターは1,000分の1の数字が表示されます。
メーターに50と表示されていたら、50,000 VND、250と表示されていたら250,000 VNDです。
また、単位が大きい分、200から50万 VNDまで、11種類もの紙幣が出回っていますので、間違えないように注意しましょう。
マレーシアでは配車アプリが無難
マレーシアと言えば、ASEANの中でも一人当たりGDPがシンガポール、ブルネイに次いで高い国。
なんですが、昨日取り上げたタイも含めて、私がタクシーに何度も乗った東南アジアの国の中で、ダントツでメーターを倒さない確率が高いのも、このマレーシアです。
外国人だと知るとメーターを倒さないドライバーが多いようです。
さらに、メーターを倒す倒さないにかかわらず、個人的にタクシーでぼられたことが多いのも、ダントツでマレーシア。
しかも、マレーシアのタクシーは、国産のへっぽこプロトンで、故障も多いし、乗り心地は最悪。ドライバーの態度も悪い。
そして、料金はGrabで呼ぶより2倍くらい高い。
凶悪犯罪の話はさすがに滅多に聞きませんが、ぼられる、高い、乗り心地悪い、気分悪いのクアトロコンボ、麻雀なら平和、ポーカーならフォーカードで、マレーシアでタクシーに乗る意味が分かりません。
そもそもGrabが始まったのも、マレーシアのタクシー事情が酷かったからですしね。
というわけで、私は、マレーシアに行ったときはいつもGrabにしています。
Grabを使ったタクシーの呼び方はこちらをご覧ください。

シンガポールはなんでもいい
シンガポールは先進国ですし、全てが政府によって厳密に管理されています。
観光客相手にぼったくりをする店などは、政府がブラックリストで公開しますので、観光客にとっては非常に安心できる国と言えます。
タクシーについても同じレベルの厳しい管理がされています。
タクシー犯罪でも起ころうものなら、政府によってタクシー会社は厳重に指導され、ドライバーは厳罰に処されるでしょう。
だからというわけでもありませんが、シンガポールではタクシーは何も考えずにその辺のをつかまえて乗って大丈夫です。
安全性と言う意味ではどこにも問題はありません。
シンガポールのタクシーの問題点は、絶対数が少なく、特に夕方の帰宅時間とタクシーのシフトチェンジの時間が重なっているため、平日17~19時頃のタクシーが全くつかまらない、という点にあります。
シフトチェンジの時間にあたると、ドライバーの帰宅方向にしか行ってくれなくなるため、ただでさえ帰宅ラッシュで需要が多いところに、供給が全く追いつかず、1時間以上タクシーがつかまらなかったこともありました。
全てにおいて合理的な判断を下すシンガポール政府が、なぜこのシフトチェンジ問題だけは20年以上も変えないのか、全く理解できません。
タクシー乗らないお偉いさんにはどうでもいいってことでしょうか?
対策としては、かなり割高ですが事前予約をしておく、この時間を避けて移動する、MRTやバスを使う、などが考えられます。
東南アジア各国のタクシー事情・ぼられないための対策 まとめ
東南アジア各国のタクシー事情、いかがでしたでしょうか?
私はこの記事を書きながら、随所でぼったくられたことを思い出し、シンガポールでタクシーがつかまらなくてフライト逃しそうになったことを思い出してムカムカしました。
でも、ぼったくりに関しては、小金を取られただけで済んで、まだ良かったと言えなくもありません。
こうしてみると、日本のタクシーは安全に乗れて、つかまらないことも滅多にないし、いいなと思いました。
腹が立つのは、行先が近場で舌打ちされたときくらいです。
皆さんもこの記事を参考に、安心できるタクシーを探してくださいね。
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