今日はセルビアを旅行する際におススメの観光地を紹介します。
なお、登録した年の関係で、世界遺産登録上は、コソボの中世建造物群もセルビアの世界遺産として登録されていますが、これらについては別の記事で紹介しましたので、ここでは取り上げません。
ベオグラード
セルビアを旅行する際は必ず通ることになるベオグラード。他国の首都同様、博物館が多いですが、ここでの見どころは、クネズ・ミロシュ通り、ベオグラード要塞と聖サヴァ教会です。
クネズ・ミロシュ通り
国会議事堂から南西に伸びる大きな通りですが、この通り自体に何か謂れがあるわけではありません。
この通りを有名にしたのは、1999年のNATO空爆時に破壊された建物が空爆されたままの状態で残っているためです。別名「空爆通り」とも言われます。
私が行ったときは、観光客が大挙して訪れるというわけではありませんでしたが、それでも私が写真を撮っている横で同じように写真を撮っている人がちらほらといました。
ベオグラード要塞(カレメグダン公園)
名前の通り、昔は要塞でしたが、現在は公園になっています。セルビアにはこのように、現在の都市の中に昔の要塞が残っていることが多く、観光名所にもなっています。
ベオグラード要塞の起源は紀元前にさかのぼるものの、現在、我々が目にすることのできる建物はほとんどが18世紀に建設されたものです。
中には物見の塔、教会、時計塔、ハマム他、軍事博物館もあります。
聖サヴァ教会
セルビア正教の創始者聖サヴァを記念した教会で、セルビア正教の中心となる、世界最大級の正教会大聖堂です。
この大聖堂の建設開始は1935年ですが、内装はまだ完成していないと聞いていました。2017年4月の訪問時には内部は一通り形は出来ているものの、未だ工事中のところがあり、装飾もあまりにシンプルだったので、これから施されるものだと思われます。
そんな中で様々なイベントや説教が何か所かで分かれて開催されているため、雑然とした雰囲気があります。
スターリ・ラスとソポチャニ
ノヴィ・パザル周辺にあり、タクシーで訪れることになります。
世界遺産登録に含まれているのは、スターリ・ラス、ソポチャニ修道院、聖ペトル聖堂とネクロポリス、ジュルジェヴィ・ストゥポヴィ修道院、グラディナの城壁です。
うち、グラディナの城壁だけはクラリェヴォ近くと場所が離れています。
スターリ・ラスは、中世セルビアに存在したラシュカ国の初期の首都で、要塞、聖堂、修道院などが含まれているそうですが、現在見れるのは荒れ果てた城壁のみで、当時の栄華をしのぶことは出来ません。
ただ、ノヴィ・パザルからはスポチャニ修道院に行く途中にあるため、途中で停めてもらうと効率よく訪れることができます。
そのスポチャニ修道院は1265年に完成した、セルビア正教の修道院で、ステファン・ウロシュ1世の寄進で建てられました。
外部は13世紀の建造物とは思えないほど新しく見えますが、実際には16世紀からオスマン帝国の支配下で破壊されて無人となり、20世紀になってやっと修復されて現在に至ります。
特筆すべきは内部のフレスコ画で、破壊されて野ざらしになっていたにも関わらず、美しい姿で残されています。
聖ペトル聖堂とネクロポリスの建造物群は10世紀頃に建てられたと考えられ、バルカン半島に現存するキリスト教建造物群の中では最古のものと言われています。
ジュルジェヴィ・ストゥポヴィ修道院もセルビア正教会の修道院で1168年に創設されました。現在の修道院には創設当時の食堂、寝室等の遺跡が残されていますが、この地域の他の修道院同様、オスマン帝国の支配下で廃れ、バルカン戦争時に破壊されました。
かつての教会内部はフレスコ画で覆われていたものの、損壊が激しく、現在ではベオグラードの国立博物館に移されています。
グラディナの城壁はトゥルゴヴィシュテの町を守るために張り巡らされた城壁で、9世紀から建造が始められ、12世紀に町を囲む形になりました。
ストゥデニツァ修道院(クラリェヴォ)
ネマニッチ王朝の創始者ステファン・ネマニャが1190年に創設した修道院で、ロマネスクとビザンツを折衷したラシュカ様式と言われています。白い大理石が美しい大聖堂です。
この聖堂も13世紀に描かれたフレスコ画が残っており、特に「ハリストスの磔刑」と呼ばれるフレスコ画は最高傑作と言われています。
内部には、ステファン・ネマニャとその妻アナスタシア、息子で初代セルビア国王のステファン・ネマニッチの遺体も安置されています。
ガレリウスの宮殿ガムジグラード=ロムリアーナ(ザイェチャル)
3世紀のローマ皇帝ガレリウスが生まれた場所であり、引退後の余生を過ごし、死後埋葬された場所でもあります。
Аутор: Alxadj на енглески Википедија, CC BY-SA 3.0, Веза
6世紀に破壊されたため、現在では西門と主要な城壁が主要な姿を留めるのが目立ちますが、宮殿、バジリカ、共同浴場などの遺跡が残っています。
また、すぐ近くにある丘には、ガレリウス帝とその母ロムラの2つの墓と記念碑があります。
ペトロバラディン要塞(ノヴィ・サド)
ベオグラード要塞でも書きましたが、セルビアには都市の中に要塞が残っていることが多く、多くは公園として市民の憩いの場になっています。
By Pudelek (Marcin Szala) – Own work, CC BY-SA 3.0 rs, Link
ノヴィ・サドはセルビアでベオグラードに次いで大きな町ですが、ここも例にもれず、難攻不落を誇ったペトロヴァラディン要塞があります。
普段は公園となっていますが、夏になるとバルカン半島最大の野外音楽祭EXITの会場としても使われています。
ニシュ
ニシュはベオグラード、ノヴィ・サドに次ぐ、セルビア3番目の都市で、見た目は非常に近代的です。
ニシュ要塞
ニシュも例に漏れず城塞があります。
元はローマ時代からあったものの、現在の形になったのはオスマン朝時代です。
城塞内にはモスクやハマムが残っているものの、現在は劇場やカフェ、レストランが出来ていて、市民の憩いの場になっています。
髑髏の塔(チェレ・クラ)
1809年、オスマン帝国支配に対して、ニシュの解放を企てたチェガルの戦いが起こります。このときの企ては失敗したものの、オスマン朝軍は大苦戦し、セルビア人が二度と反乱を起こさないよう、みせしめとして作られたのが、この髑髏の塔です。
塔の4面は952のセルビア人兵士の生首が埋め込まれています。
ニシュ強制収容所
ナチスによって1941年に作られた強制収容所です。一時通過用の収容所のため、ここから囚人はドイツの最終収容所に送られることになっていました。
そのため、ダッハウやアウシュビッツなどに比べると、こじんまりとした収容所です。
メディヤナ
ニシュ生まれのコンスタンティヌス大帝によって築かれた夏の別荘跡です。建物は土台を残すのみでほぼ倒壊しており、原型をとどめていませんが、モザイクがたくさん残っています。
Аутор: Pudelek (Marcin Szala) – Сопствено дело, CC BY-SA 3.0 rs, Веза
ツァリチン・グラード
ツァリチン・グラードは別名をJustiniana Primaともいい、この地域出身だった東ローマ皇帝ユスティニアヌス1世が自分の名前を冠した都市を建設しました。
ユスティニアヌス1世が都市建設を命じたのが535年、その後、アヴァール族の侵略により、615年前後に、この都市は放棄され、再び顧みられることはありませんでした。
この遺跡は、10ヘクタールほどの土地に、城壁、門と住居跡が良く残っており、また、一部モザイクも美しい状態で残っています。
Аутор: Ant83 на српски / srpski Википедија – Пребачено са sr.wikipedia на Оставу од стране Micki помоћу CommonsHelper., Јавно власништво, Веза
セルビア旅行で行くべき場所 まとめ
セルビア旅行で行くべき場所7選、いかがでしたでしょうか?
私はコソボに行ってみて、逆にセルビアについて知りたくなり、様々な本を読み漁り、3年かけて旧ユーゴスラビア圏を全て回りました。
日本とは全く違う魅力のある国ですので、是非行ってみてください。
今日の1冊(2冊ですが。。。)
コソボ、セルビア辺りを旅行する前に読んでおくと、コソボ紛争の背景や、その後何が起こったかが分かりおススメです。



コメント
[…] セルビア旅行で行くべきおススメの観光地7選 […]
[…] セルビア旅行で行くべきおススメの観光地7選 […]
[…] セルビア旅行で行くべきおススメの観光地7選今日はセルビアを旅行する際におススメの観光地を紹介します。 なお、登録した年の関係で、世界遺産登録上は、コソボの中世建造物群も […]
[…] 少し前に、セルビアのおススメルート、おススメ観光地、注意事項について書きましたが、今回は私が実際に回った旅を日記形式でご紹介します。 […]
[…] セルビアのおススメ観光地でも紹介したように、世界遺産「スターリ・ラスとソポチャニ」は、大きく5箇所の見どころが含まれます。 […]
[…] セルビアのおススメ観光地でも紹介していますが、世界遺産「ストゥデニツァ修道院」は、12世紀に創設された修道院です。 […]