今日はちょっと話が逸れますが、バール鉄道の話をします。
バール鉄道とは?
バール鉄道は、旧ユーゴスラビア時代に作られた鉄道で、現在もセルビアのベオグラードからモンテネグロのバールまでを結んでいます。
Аутор: Benbe – Сопствено дело[1], CC BY-SA 3.0, Веза
全長476km、途中、254か所のトンネル、435か所の橋梁を通ると言えば想像がつくかと思いますが、山岳地帯の急勾配を結ぶ路線で、最高地点は海抜1,032m、最低地点は海抜40m(モンテネグロの首都ポドゴリツァ)と大きな落差があります。
そんな険しい山岳地帯に、旧ユーゴスラビアの威信をかけて1951年に着工、1975年に現在に至る全路線が完成しました。
1991年のユーゴスラビア崩壊の後は、紛争により一時的に不通になった時期もありましたが、現在では東ヨーロッパ有数の景勝路線として観光客の人気を集めています。
バール鉄道情報
バール鉄道の詳細については、このサイト↓が全てカバーしているのですが、要点だけかいつまんで拾っておきます。
バール鉄道時刻表
2019年1月現在、バール鉄道の時刻表は以下の通りです。
ベオグラード → バール
(昼便 Tara) ベオグラード 9:00 → ポドゴリツァ 18:49 → バール 19:56
(夜便 Lovcen) ベオグラード 21:10 → ポドゴリツァ 7:07 → バール 8:08
バール → ベオグラード
(昼便 Tara) バール 9:00 → ポドゴリツァ 10:00 → ベオグラード 20:05
(夜便 Lovcen) バール 19:00 → ポドゴリツァ 20:05 → ベオグラード 6:15
私が行った2017年4月は夜便が休止中でした。そんな感じで変更されることもありますので、最新情報を確認されることをおススメします。
なお、出発時間は頻繁に遅れますのでご注意ください。
料金
料金の目安(いずれも片道)は以下の通りです。
基本料金:24 EURO
指定席予約(昼):3 EURO
寝台予約(夜):20 EURO (2ベッド寝台)、15 EURO (3ベッド寝台)、6 EURO (6ベッド寝台)
チケット予約方法
ベオグラードからモンテネグロ方面
予約手段は大きくわけて2種類あります。
①ベオグラードの駅窓口で直接購入する
②専用の受付の人に連絡をして予約をする(英語可)
後者については以下のサイトに詳しく記載されていますので、こちらをご覧ください。
モンテネグロからベオグラード方面
2019年1月現在、有効な方法は、ポドゴリツァかバールの駅窓口で直接購入する方法のみです。オンライン予約はありません。
発着駅
ベオグラード
バール鉄道のベオグラードの発着駅は長いこと旧Central Stationだったのですが、2016年には使われなくなって、旧Central Stationから途中駅まではバスによる振り替え輸送が行われていました。
その後、旧Central Stationは2018/7/1に正式にクローズし、Belgrade Topciderがバール鉄道の発着駅となりました。
Belgrade Topciderはここ↓です。ベオグラード中心部からはトラム3番で行けます。
なお、旧Central Stationと現在のCentral Stationは別物ですのでご注意ください。現在のCentral Stationからは、モンテネグロ方面以外の全ての国際列車が発着します。
ポドゴリツァ
ポドゴリツァ自体が、一国の首都とは思えないほどこじんまりした町で、駅も一つしかないので迷うことはないと思います。
バール
バールもこじんまりしている上に、終点なので困ることはないでしょう。
バール鉄道に乗るにあたっての注意事項
意外と混む
季節によりますが、意外と混んでいます。
私が乗ったのは2017年4月で、ベオグラードから乗ったので座れましたが、途中からは廊下を移動することができないほど人が溢れていました。
シーズンオフはガラガラだとの情報もありますが、4月でもそのような感じだったので、シーズンに行く人は覚悟をしていった方が良いです。
なお、2017年4月時点では、とにかくチケットがあれば列車に乗れて、座席指定がなかったので、上記のような状態でした。
2019年1月時点では座席予約料が取られるようになったので、もしかしたら、席数以上の予約は受け付けないようになったかも知れません。
だとすると、2017年時点のあのカオスな状態にはならないと思います。
ただし、その分、予約数が限られ、予約が取りにくくなったということだと思いますので、バール鉄道の旅をしたいと思っている方は、早めに予約されることをおススメします。
景色を楽しみたいなら時間に注意
この路線は全線を通して景勝路線ではありますが、恐らく一番有名なのはマラ・リイェカ橋梁かと思います。
By Photo: Marcin Konsek / Wikimedia Commons, CC 表示-継承 4.0, Link
マラ・リイェカ橋梁が見える場所には、ポドゴリツァに着く30分ほど前に通りますが、私が行ったときは、真っ暗で見えませんでした。
4月中旬の日の入りは19:20頃なので、18:49ポドゴリツァ着という、時刻表通りのスケジュールであれば、本来は見えたはずなのですが、私の場合、実際にポドゴリツァに着いたのは20:30頃でした。
出発も遅れますが、到着もかなり遅れます。
また、ところどころ傷んでいる路線ですので、あまりスピードが出せないという実態もあります。
夏至の頃であれば、日の入りは20:20頃なので、これだけ遅れても見えるかも知れません。
が、電車の遅れについては誰も保証できないので、マラ・リイェカ橋梁を確実に見るのであれば、ベオグラードからであれば夜行便で行くか、日中便であれば、ポドゴリツァ→ベオグラードの便を利用されることをおススメします。
夜行便でも冬は見れないかも知れません。
いずれにせよ、列車の遅れを見越したうえで、日の出・日の入り時間のチェックをして計画することをおススメします。
バール鉄道まとめ
バール鉄道の乗り方、予約方法等をまとめてみました。
私が乗ったときは、カオス状態だったのですが、同じ個室の人にセルビアのお菓子をもらったり、野菜(!)をもらったりして楽しく過ごしました。
ほとんど英語は通じなかったですが、遠い国から来た旅行者をなんとかもてなそうとしてくれている気持ちが伝わってうれしかったのを覚えています。
私自身、マラ・リイェカ橋梁という心残りがあるので、またいつか乗るつもりです。今度は寝台に乗ろうかなぁ。


コメント
[…] バール鉄道についてはまた別の機会に詳しく触れたいと思います。 […]
[…] 東欧の景勝路線バール鉄道の旅!ベオグラード・ポドゴリツァ間を鉄道で移動しよう […]
[…] バール鉄道については、別記事を参照ください。 […]
[…] 東欧の景勝路線バール鉄道の旅!ベオグラード・ポドゴリツァ間を鉄道で移動しよう今日はちょっと話が逸れますが、バール鉄道の話をします。 バール鉄道とは? バール鉄道は、旧ユ […]
[…] バール鉄道については、別の記事で詳しく触れていますので、こちらを参照ください。 […]
[…] この辺の失敗談はバール鉄道の紹介記事に書いていますので、そちらを参考に作戦を練ってください。 […]
[…] […]