エミリー・ブロンデの名作「嵐が丘」は過去にも紹介しましたが、作中のアーンショー家の屋敷「嵐が丘」のモデルになった廃墟がイギリスはヨークシャーにあります。
「嵐が丘」ファン、ブロンデ・ファンにとっては、聖地巡礼にも等しいこの地への旅から帰ってきましたので、行き方を紹介します。
行き方はLeeds経由でKeighleyへ出て、そこからHaworthへ、そこからは歩きです。
詳しく見ていきます。
まずはLeeds経由でKeighley、そしてHaworthへ
LondonからLeedsへ
どこからでも良いので、まずヨークシャーの大都市Leedsへ出ます。
ロンドンからだと、King’s Cross駅からLNER (London North Eastern Railway) で直通が30分に1本程度の頻度で出ています。
LNERの時刻表はWebから確認でき、チケットも買えますので、予定が決まったら買っておきましょう。
LNERのチケットは直前だと高いですが、一ヶ月先だと半額以下で買えたりします。
なお、London King’s Crossから行くなら、LeedsではなくKeighleyまで買ってしまった方が安いです。

余談ですが、直前に買うなら、GoEuroなどのサイトの方が安いことがあります。
LeedsからKeighleyへ
Leedsに着いたら、ローカル線に乗り換えて、Keighleyまで行きます。
この線の運行はNorthern Railwayで、ローカル線ですが、30分に一本程度あります。
ローカル線なので、必ず車掌の見回りがありますので、チケットを忘れないように!
KeighleyからHaworthへ
Keighleyからはバスに乗り換えます。
Keighley駅からHaworth行きのバスターミナルが若干距離がありますので地図を参考に移動してください。Googleでは7分と出ますが、途中で信号などにも何回か引っかかりますので、10分くらい歩きます。
Haworth行きのバスはターミナルのStand Eから出るB1・B2・B3です。どれかが20分おきに発車し、Haworthまでは20分程度で着きます。

Haworthのバスターミナル。意外と大きいです
注意事項としては、B1とB2はHaworthの街中まで行きますが、B3のみ途中で南下してOxenhope方面へ向かってしまい、Haworthの街中には入りません。
B3の場合は、Bridgehouse Lane (Stop N)かその次のSun Streetで降りて、街中まで歩きましょう。
ただし、どちらからも距離はそれほどありませんが、街中までは結構傾斜のきつい登坂になっていますので、ご注意ください。この後、Top Withensまで歩くことを考えても、準備運動というにはキツイ、中々の心臓破りです。
HaworthからTop Withensまで
さて、無事にHaworthまでたどり着けたらTop Withensに向かいます。
ここからは歩きです。ムーアを抜け、岩場を歩いて行きますので、歩きやすい靴と水が必需品です。
下記地図はブロンテつながりの「Bronte Parsonage Museum」から示していますが、ここからじゃなくてもいいのですが、とにかくHaworthの一番大きな通りのWest Laneに出ます。
West Laneから、Cemetery Roadへ、そのまま道なりにEnfield Side Roadを行き、後は標識の通りです。
ツアーで来た場合、Moorside Laneとの交差点のところまで車で連れてきてくれるようですが、正直、そこからがかなりあります。
一般車が入れるのはここまで↓この後はひたすら歩きます。
道は舗装されていないので、運動靴がないと歩きにくいですが、沢山の人が歩いているので獣道ではありません。
ところどころ標識が出てきて、向かってる方向が正しいことが分かります。
眺めも良いので、のんびり散歩するつもりで歩いてはいかがでしょうか?
そうこうしているうちに、Bronte Bridgeが見えてきます。ここはブロンテ姉妹が小さい頃に遊んだと言われているそうです。
ブロンテ姉妹が子供の頃に住んでいた家がHaworthにあり、そこからだと結構な距離があるので、本当か?と思いますが、、、まぁ、空想して想いを馳せるのは楽しいです。
なお、ここまでは比較的平坦なのでそれほどきつくはありません。Bronte Parsonage Museumからずっと歩いて50分くらいです。
さて。
Top Withensに行くには、Bronte Bridgeを渡ってすぐの牧場を抜けて行く必要がありますが、いきなりの急勾配にめげたくなります。
ここから急に傾斜がきつくなります。Google Mapの時間はあてにしないようにしましょう。
黙々と歩いて行くと、、、、
見えた!Top Withensが見えました!(写真真ん中の小さな点)
遠いなぁ、、、と思いつつ。
ここまで来てたどり着かないという選択肢はもちろんないので、ひたすら歩きます。
Bronte BridgeからTop Withensまで、Google Mapではなぜか30分弱と出るのですが、私は1時間くらいかかりました。傾斜のきつさと足場の悪さが考慮されてないと思われます。
というわけで、歩くこと1時間。遂に着きました!
説明したルートから来ると、こういう角度↓で見えてきます。あまり廃墟かどうか分からないですね。
写真でよく見るのはこちら↓こうして見ると、完全に廃れていることが分かります。
Top Withensの説明もあります↓
風が強く、ムーアが横殴りになぎ倒されています↓
まさにWuthering Heights(風吹きすさぶ高台)=「嵐が丘」!
「エミリー・ブロンテがWuthering Heightsと呼んだのはこれか!」という感覚が味わえます。
Top Withensから見える景色は広大で壮観です。
本当に風が強く寒いので、「嵐が丘」の気分を味わったら帰りましょう。
帰りは下り勾配が多くなるので、少し早くなります。
Top Withensに向かう際の注意事項
寒い(ウィンドブレーカー必須)
まさに「Wuthering Heights(風吹きすさぶ高台)」と書いた通り、風がビュービュー吹いています。写真でもムーアがなぎ倒されていましたが、とにかく、風が強くて寒い!
私が行ったのは9月下旬で気温は日中最高気温が17度、写真の通り、たまに日が陰る程度で基本快晴、ひなたを歩いていると汗ばむくらいでしたが、一度風が吹くと寒くてたまりませんでした。
「Wuthering Heights」の空気は体感できて非常にうれしいのですが、風邪をひきますので、ウィンドブレーカーに帽子など、寒くない恰好をしていくことをおススメします。
意外と時間がかかる(私は往復4時間かかりました)
これはGoogle Mapと比較して、という面が大きいのですが、Google Mapでは所要時間片道1時間15分と出ていたのですが、私は行きは2時間弱、帰りは1時間半程度かかりました。
途中で写真を撮ったりと脱線し、Top Withens周辺では30分程度ウロウロしていましたが、往復にかかった所要時間は約4時間です。
足場が悪かったり、突然現れる急勾配が計算に反映されてないと思われます。ご注意ください。
水の携帯必須
上述の通り、4時間歩きます。
寒いのでそれほどのどは乾きませんが、それでも水の携帯は必須です。
Haworthの街中の土産物屋かスーパーで売っていますので、購入してから行きましょう。
ハイキング装備でも良いくらい(ステッキを持っている人もいる)
私は使いませんでしたが、Top Withensに着いた人の中には、ステッキを持っている人も何人かいました。
Top Withensに至るまでの道が、前述の通り、急勾配がそれなりにあるのと、ところどころ水たまりなどで足場が悪くなっていることがあります。
ハイキングコースとしては、障害物もなく、歩きにくいということはありませんが、心配な方はステッキを持ってきても良いのではないかと思います。
ロンドンから日帰り往復は厳しい
ロンドンからリーズまで電車で2時間強、そこからKeighleyまで電車で30分、さらにHaworthまでバスで20分。乗り換え・待ち時間を含めるとここまでで約4時間。
そこからTop Withensまで往復して4時間。
さらにロンドンにトンボ返りして4時間。
諸々オーバーヘッドを考えると、どんなに頑張っても14時間くらいかかるのではないでしょうか。
ロンドン発朝6時頃の便で出れば、まぁ、いけるかも知れません。
でも、Haworthはのんびりした町ですし、ロンドンに比べて格段にホテル代が安いので、こちらに泊まるのもおススメです。私はHaworthに一泊しましたが、とても快適なB&Bでした。
私が泊まったB&B「Park Top House」↓ Vanessaというパワフルなオーナーの女性が親切に世話を焼いてくれます。場所も大通りに面していて便利でした。
番外編:Haworthのその他の見どころ
Top Withensへの拠点となるHaworthはこじんまりとした街ですが、ブロンテ一家が一時期住んでいた家が残っており、今はブロンテ・パーソネージ博物館になっています。
中には当時の間取りと住んでいた家族の説明、エミリーやシャーロットが実際に使っていた髪飾りや服なども残されています。
ブロンテ一家の後に人手に渡ったこともあり、当時の物が全て残っているわけではありませんが、ブロンテ姉妹ファンにはうれしい展示内容ですので、せっかくHaworthに来たならこちらも行ってみると良いと思います。
Top Withensを訪ねる まとめ
というわけで、『嵐が丘』のモデルになったTop Withensへの行き方をご紹介しました。
いかがでしたでしょうか?
私としては「Wuthering Heights」の空気が体感できただけでも大満足でしたが、Haworthのロンドンとは全く違うのんびりした雰囲気も気に入りました。
『嵐が丘』ファンもそうでない人も行ってみてください!
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