BANANA FISHだけじゃない!吉田秋生のおススメ漫画6選

マンガ

先週、友達と話していて、あの「BANANA FISH」のアニメ化の話を初めて知りました。

 

あの!!吉田秋生の!!不朽の名作「BANANA FISH」がアニメ化!という大ニュースに衝撃が隠せない自分がいます。

 

イメージ壊れたら嫌だなぁとどうにも手が出せないでいるのですが、どうやらアニメは原作ファンにもすごく評判が良い模様。

 

とりあえず、アニメ見る前にもう一回原作読むかと読み始めたら、止まらなくなってしまいました。「BANANA FISH」だけでは飽き足らず、「YASHA-夜叉-」、「イブの眠り」まで一気読みしてしまいました。三作を立て続けに読んだ理由は、全部シン・スウ・リンが出てくるので「BANANA FISH」の残り香を追い求めたという感じです。

 

今日は、吉田秋生なら全ての作品を完読した私の個人的おススメ作品6選をご紹介します。

BANANA FISH

1985年、ストリートキッズのボス、アッシュはニューヨークのロウアー・イースト・サイドで、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。男は「バナナフィッシュに会え…」と言い遺して息を引き取る。ベトナム戦争で出征した際、麻薬にやられて正気を失ったままの兄グリフィンの面倒をみていた彼は、兄が時々つぶやく「バナナフィッシュ」と同じことばを聞き、興味を抱いた。殺された男を追っていたのは暗黒街のボス、ディノ・ゴルツィネ。アッシュは男と最後に接触した者としてディノに疑われる。雑誌の取材でアッシュと出会った、カメラマン助手の英二も巻き込んで事件は思わぬ展開を見せ…。

「BANANA FISH」だけじゃないと言っておいてやっぱりこれ、という意外性の欠片もない並べ方ですが、やっぱり、これは外せません。

 

とにかく面白い!

 

NYのストリートギャングのボス アッシュ・リンクスが、BANANA FISHという言葉をきっかけにマフィアの抗争に巻き込まれ、果てはアメリカの国家的陰謀にも巻き込まれるという壮大な話です。

 

主人公アッシュは少女漫画らしく、超美形でIQ180(以上)の天才、運動神経抜群で銃の腕は他のストリートギャングのボスを震え上がらせるほど、カリスマ性に溢れたボスです。

もう一人の主人公英二は、純粋で善良であることを除けば、容姿も頭も至って並み(アッシュに比べれば)の男の子。そんな二人の魂の奥深いところで結びついた友情(by シン)がこの漫画の見どころの一つです。

 

この漫画、スキップ、ショーター、ブランカとアッシュの会話など、最初から要所要所で泣かされるのですが、最後は大号泣です。読後は喪失感で1週間は立ち直れなくなります。

でも、その喪失感を、番外編「光の庭」が上手い具合に埋めてくれるんですね。読者のアフターケアまで優れた、吉田秋生の最高傑作です。

 

連載時はアッシュのモデルだという噂のあったリバー・フェニックスがxxxだから、アッシュもxxxだったという噂もありました。これ以上書くとネタバレになるので書けません。読んで確かめてください。(なおアッシュのモデルについては、吉田秋生がオフィシャルガイドブックの中でも触れてたと思います)

海街diary

男の部屋で朝を迎えた三姉妹の次女・佳乃(よしの)に父の訃報(ふほう)が届いた。母との離婚で長い間会っていない父の死に、なんの感慨もわかない佳乃は…。鎌倉(かまくら)を舞台に家族の「絆(きずな)」を描いた限りなく切なく、限りなく優しい吉田秋生の新シリーズ!!

「BANANA FISH」であれだけハードな世界を描いた同じ作者の作品とは思えない、日常の中の繊細な心を丹念に描いた作品です。

 

「BANANA FISH」を読んだ後に「海街diary」を読むと、この作者の振れ幅の大きさに驚きます。

が、この後に挙げた作品「ラヴァーズ・キス」「櫻の園」「カリフォルニア物語」はいずれも、「BANANA FISH」よりはこちらよりの作品で、吉田秋生は元々、傷ついた心が癒されていく様を丹念に描くのが上手い作家なのだと思います。「BANANA FISH」にもそんな要素がありましたしね。

 

「海街diary」はそんな吉田秋生の、繊細な心を描く上手さが全面に出ている作品です。

昔の吉田秋生の作品は、「吉祥天女」や「櫻の園」辺りが特にそうだと思うのですが、「女である」という事実だけから派生する理不尽さに対する苛立ちや怒りを原動力とした作品であるのに対し、「海街diary」はそういったものが全て昇華されて、とても繊細で優しい目線で描かれている印象です。

 

余談ですが、この本を読んで鎌倉に行きたいなぁと思っていたら、「すずちゃんの鎌倉さんぽ」が出ました。もちろん、これも買ってしまったのですが、こういうところも上手いですね。

ラヴァーズ・キス

鎌倉の県立高校に通う少女たち、少年たちの熱い日々。そして、その彼女たちの揺れ動く青春をキスをめぐるドラマを通じて描く、ラブロマンス。

これも「海街diary」同様、傷ついた心が癒されていく過程が優しく描かれています。

 

どこか投げやりに男との関係を続ける里伽子。とかく悪い噂の絶えない朋章と関係しますが、見かけよりずっとストイックな朋章に意見されたことから恋心に気づき、、、というストーリー。

 

里伽子も朋章も深く傷ついた心を抱えながら、必死に逃れようとして足掻き、二人が出会うことによって、お互いの傷が塞がっていく様が心地よいです。

全2巻という短さのわりに、主要登場人物男女6人の恋模様が複雑で、両想い、片思い、異性同士の恋、同性同士の恋とまさにフルコース。とは言え、さすがの吉田秋生で構成がよく練られていて、上手さが際立っています。

 

朋章は「海街diary」にも出てきて、両方読むと話がつながるところもあるので、「海街diary」と「ラヴァーズ・キス」の片方しか読んでない人は両方読むのをおススメします。

YASHA-夜叉-

沖縄の離島で母と2人、幸せに暮らしていた少年・有末静(ありすえセイ)。だがある日謎の男たちに母を殺され、拉致された静。静の隠された秘密とは――!?

静の出生の秘密が、アメリカの大企業ネオジェネシス社の陰謀や母の元婚約者雨宮の野望、静の双子を名乗る男凛の思惑と絡み、静も争いの真っただ中に引き出されていくーーー。

 

壮大な設定が「BANANA FISH」を彷彿とさせる話です。ストーリーもキャラの魅力も全てが最高ランクだった「BANANA FISH」と比べてしまうと、さすがに物足りなくなるかも知れません。

 

しかしながら、スケールの大きな話を広げるだけでなく、わずか12巻でまとめあげる構成の上手さ、静と凛の育ちの違いから来る心理的な対比、静、凛、ケンを中心としたどこか寂しげな心の動きの描き方、こういった上手さは他の追随を許すものではありません。

 

本作の続編である「イブの眠り」は全5巻と更に短くなって少々物足りない感はあるものの、「YASHA-夜叉-」で広げられた世界は、「イヴの眠り」まで読んでやっと安らかな世界に落ち着いたかなという感じがあります。

もし「YASHA-夜叉-」は読んだけど「イヴの眠り」を読んでいない方がいたら、両方読むことをおススメします。個人的には、この作品は両方揃って完結だと思っています。

 

余談ですが、「BANANA FISH」に出ていたシン・スウ・リンが、「YASHA-夜叉-」ではかっこよくなって、「イヴの眠り」ではしぶくなって出てます。「BANANA FISH」ファンにとっては、これもたまらない魅力の一つです。

櫻の園

丘の上の女子高校、桜華学園。春の創立祭で、チェーホフの“櫻の園”を演じる演劇部員たち。思春期の乙女たちのほのかな心情をセンシティブに綴る必読の連作短編集!

これは1985-86年にかけて連載された、かなり古い作品です。女子高の演劇部に所属する生徒たちの心模様を描いた、オムニバス形式の漫画です。

 

この作品、正直、男の人が読めるかどうか分からないのですが、女の人には幅広く読んで欲しい作品です。特に、「女である」ことに傷つけられたことがある人は、この本のどこかに必ず共感できるのではないかと思います。

 

私が一番印象に残っているのは最初の作品「花冷え」。これは、読者の年齢によって共感できるところが変わっていくだろうなという稀有な作品です。

高校生の頃は綾子(「花冷え」の主人公の姉)の言っていることは言葉としてしか捉えられなかったけれど、大人になるともっと深く理解できるようになり、むしろ綾子の切なさの方が身に染みるようになります。

 

昔読んだことがある人も、今読むと印象が違うかも知れません。ぜひ再読してみて下さい。

カリフォルニア物語

青い空、緑の大地、光輝くカリフォルニア。だが、カリフォルニアだっていいことばかりじゃない。父親との確執、兄へのコンプレックスなど、さまざまな人間関係のきずなを振り切ろうと高校をドロップアウトしたヒースは、冬のニューヨークにやってきた。相棒で同居人のイーヴ、悪友ブッチ、その妹で恋人のスウェナ……灰色の空のもと、大都会の片隅でひとつの青春が始まった。吉田秋生の名を世に知らしめた初期傑作青春ロマン。

今回とりあげている中で一番古い作品、1978年~1981年にかけて連載された作品です。当時、吉田秋生は弱冠20歳。この作品で一気に名前が広まったそうです。

 

若さ故の苦しさ、自暴自棄になる葛藤とあがきが克明に描かれていて、果たして自分が20歳のときに、こんな風に人に説明できるほど考えていただろうかと思わせます。

最後の方のある事件が唐突で、読者も一緒にどん底に突き落とされます。読んでいるととても寂しく感じられてしまうのですが、最後には晴れ晴れとした寂しさが残る不思議な話です。

 

こちらも余談ですが、ジェンキンスとチャーリーという刑事が登場しますが、「BANANA FISH」にも同じ名前、同じ顔のキャラが登場しますので、恐らく同じ人なんだと思います。どちらも脇役ですが、こんなちょっとしたスターシステムもうれしいですね。

吉田秋生おススメ作品 まとめ

吉田秋生のおススメ作品、いかがでしたでしょうか?

 

「中長編ほとんど全部じゃないの?」と思われた方、鋭いです。2巻以上になっている中長編でここに載ってないのは、「河よりも長くゆるやかに」「吉祥天女」「イヴの眠り」(「YASHA-夜叉-」の中で紹介してますが)くらいです。

 

言い訳ですが、吉田秋生の中長編は、話の構成も心理描写も上手い分、傑作が多いんですよ。

でも、どれも読んで後悔することはないと思いますので、ここで挙げていない作品も含めて、是非!読んでみてください。

 

私はこれから「海街diary」を1巻から読み返します。

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